MOVIE KINGDOM Ⅱ

映画に関する話題やライブ&イベント、ローカルなグルメ情報など色々話題を広げて行きます
ポイントは★~★★★★★★

No.018 「チェ 39歳 別れの手紙」 (2008年 133分 ビスタ)

2009-02-13 23:44:23 | 2009年劇場鑑賞
監督 スティーヴン・ソダーバーグ
出演 ベニチオ・デル・トロ
   カルロス・バルデム
   デミアン・ビチル
  


今日は2本見ますが、2本とも2部作もしくは3部作の2番目の作品です
最近このパターンが増えてきましたね~
でもあまり間が開くと内容を忘れてしまいそうで・・・
今日の映画は内容的には両極端のような作品ですが。

(あらすじ)

1959年にキューバ革命に成功した後、国際的な名声を得たチェ・ゲバラ(ベニチオ・デル・トロ)。
しかし、チェ・ゲバラは変装した姿で家族と会い、最後の食事を済ませると、急に姿を消してしまう。
そしてラテン・アメリカの革命を目指し、ボリビアを訪れるが……



前作からの続きとなるこの 「チェ 39歳 別れの手紙」ですが、カストロに宛てた手紙から始まり、彼がその後ボリビアでの展開がトントン拍子で描かれて行きます。
しかしここからラストまではほとんどジャングルの中を進んで行くチェ・ゲバラ率いるゲリラ軍の姿が描かれて行きます。
手持ちカメラでドキュメンタリータッチな手法で全編見せてくれ、またほとんどサウンドトラック音楽は無く、聞こえて来るのは鳥や虫の鳴き声に兵士たちが草木を踏み締める音・・・観客までもチェゲバラの一団に加わったような臨場感です。
ただあまりにも中盤まで淡々としてるので前作よりも疲れました。
前作はいろいろと動きがありましたからね~戦闘シーンも多かったしね。

でも飛ぶ鳥落とす勢いで攻めて行った前作と違い、今回は悲壮感漂う負け戦となって行く後半は落日のカリスマを見るようでした。
農民たちの為に立ち上がり政府軍との戦いに乗り出したが、結局はその農民たちに裏切られてドンドンと敗走へと追い込まれていく・・・前作と続けて見たらチェゲバラが革命に成功し、そしてキューバを後にした後の人生とのコントラストがよく出たと思います(ま、4時間半はキツイけどね)



喘息を患い日々体力が衰えて行く中でもカリスマとしてのオーラを放つチェ・ゲバラを演じたベニチオ・デル・トロの芝居も前作と違い悲壮感一杯の見事な演技だと思います。
至近距離での白兵戦となる戦闘シーンは前作ほどの派手さはないけど、緊張感溢れる展開となりこれも対象的ですね。

またラストの処刑シーンの呆気なさは意外でしたね。
しかしその場面は処刑されるチェ・ゲバラの目線となるカメラアングルで我々にカリスマの死を追体験させてくれます。
圧倒的な勢いで人生を駆け抜けた姿と悲壮感漂う晩年とまさにチェゲバラの人生を見せてくれた二部作でした。



★★★ 2009.2.12(木) 布施ラインシネマ10 南館 シネマ9 16:35 F-8

No.017 「デスレース」 (2008年 105分 シネスコ)

2009-02-11 02:07:18 | 2009年劇場鑑賞
監督 ポール・W・S・アンダーソン
出演 ジェイソン・ステイサム
   タイリース・ギブソン
   イアン・マクシェーン



昨年の年末前に公開された作品がこの「デスレース」という映画。
あの1975年の「デスレース2000」のリメイクとして話題?になった作品ですが、オリジナルは近未来がやはり舞台で、過酷な死のレースが展開されるんですが、途中で老人や子供を弾き殺せば高得点が与えられるという無茶な設定があったりして、さすが今の世の中ではブラックユーモアとしてもこれはアカンでしょう~

それでも主演が好調ジェイソン・ステイサムってこともあり、期待して何とか年末までに見ようと思ってたら何と、アッサリ2週間ほどで上映が終わってたがな・・・最初からそのスケジュールだったのか?はたまた不入りによる打ち切りだったのか?
いずれにしても残念ながら見逃してしまった・・・と思ってたら天六シネ5ビルのホクテンザ2にて復活ロードショー!
と、言う訳でホクテンザ2へ行って参りました。
しかし久々に上映時間が5分早く始まった・・・はやく来てたから良かったものの・・・



(あらすじ)

孤島の刑務所で繰り広げられる過激な死のレース「デス・レース」を放映し、人気番組となっている近未来のアメリカ。
殺人の濡れ衣を着せられたジャンセン(ジェイソン・ステイサム)は刑務所の所長ヘネシー(ジョアン・アレン)からレース出場を迫られ、美人ナビゲーターのケース(ナタリー・マルティネス)を乗せレースに参加する。

なんかマッドマックス思わすような武装車のレースシーンは迫力あります。
エンドロール後前に「この映画のカースタントはプロのスタントマンがやってますから真似しないように・・・」と出たけど大半CGと違うんかかいな?
でも昨年度のワースト映画「スピードレーサー」のレースシーンよりは数倍良かったよ。



このレースの模様が全米中継されたりするんだが、この中継シーンのレーサー紹介などカッコよかったし、女子刑務所から送られてくる美人ナビゲーターたちの登場シーンなどHIPHOPな曲に合わせてスタイリッシュに描かれていたりして映像的にもよかったです。

ただオリジナルのリメイクと比べたら共通してるのはタイトルとレーサーが仮面かぶってるぐらいで後はまったくの別ストーリーです。



★★ 2009.2.10(火) 天六ホクテンザ2 23:30

No.016 「ファニーゲーム U.S.A.」 (2007年 111分 ビスタ)

2009-02-07 23:46:43 | 2009年劇場鑑賞
監督 ミヒャエル・ハネケ
出演 ナオミ・ワッツ
   ティム・ロス
   マイケル・ピット



何年か前にとにかく衝撃的な映画があると聞いてレンタルで借りた映画があります。
それが「ファニーゲーム」と言う映画。
見たときの感想は・・・この作品共々後で書くとして、この作品がハリウッドでリメイクされたと情報が入りました。
正直あの映画をハリウッドでリメイクしたところでハリウッド式サイコスリラーになるのがオチで、オリジナル同様には行かないだろうと思ったもんでした。
しかし脚本&監督オリジナル同様のミヒャエル・ハネケだと聞いてかすかに期待感が高まりました。
そしてベールを脱ぐハリウッド版ファニーゲーム「ファニーゲームUSA」

(あらすじ)

別荘で過ごすアン(ナオミ・ワッツ)とジョージ(ティム・ロス)夫妻のもとに、ポール(マイケル・ピット)とピーター(ブラディ・コーベット)と名乗る青年が訪れる。
ふてぶてしい訪問者の態度に業を煮やしたジョージがポールのほほを平手打ちすると、突然二人の男は凶暴な顔を見せ、生死をかけたゲームをしようと告げるが…



オープニング俯瞰から捉えた1台の車のカットから始まる。
そして流れるクラシックの曲・・・ヘンデルのオペラやモーツアルトの曲を聞きながら車内では一軒の家族が曲当てクイズを楽しんでいるというのどかな一場面・・・そんなクラシックな曲から一転、激しいリズムのハードコアノイズに変わり画面一杯にFUNNY GAMES U.S. のタイトルが!
このクラシックが流れる平穏を音で切り裂くかのようなハードな曲調への転換はまさにその後の主人公たちの行く末を暗示してるかのようで秀逸。

真白の服になぜか真白な手袋をした2人の青年ポールとピーターがある一家に玉子を借りにくるんだが、ナオミ・ワッツ扮するアンに4個もらった玉子を落として割ってしまう・・・床を拭きながらやや苛立ちを見せるアンからさらに図々しくももう4個もらうんだが、この時この家庭の唯一の連絡手段である携帯電話を台所に水に落とし壊してしまう・・・ますます苛立つアン。
そして更に犬に抱きつかれたことを理由に玉子を割ったといい、三度玉子をせびる青年2人組。
そこに夫ジョージが現れ、青年たちの不愉快な態度についに手を出してしまう・・・これこそ不快なまでのゲームのゴング変わりだったりする。

ゴルフクラブでピーターの足を一撃で叩き折り(殺傷能力は犬を叩き殺した事で実証済み!)一番やっかいな存在である夫の自由を奪い取り、アンと息子と歩行不能のジョージを2階で監禁。
そしてここからポールとピーター彼らの狂気なまでのゲームが始まるのです。
ここから彼らの存在がとにかく鬱陶しい存在となってくるんです。
ジョージ一家だけでなく我々観客も・・・ニタニタしながら「今から12時間後おまえらは死んでいるか、生きているか賭けをしよう」持ちかける。
そんなやり取りさえも鬱陶しく感じてしまうこの2人組が突然カメラ目線となり、スクリーンから客席の我々に向かって「皆さんどちらに賭けます?」と言いだす!
そう、この映画は見る側の観客までもこのゲームに巻き込んでしまうんです。



ネタバレ警報発令・・・この映画を見る予定の人は“絶対”読まないでね。





皆さんはどちらに賭けます?






皆さんはどちらに賭けます?





皆さんはどちらに賭けます?





皆さんはどちらに賭けます?





皆さんはどちらに賭けます?






皆さんはどちらに賭けます?






今までいろんな映画を見たけどこれほど悪意に満ちて悪質な映画は見たことありません・・・と言うのはオリジナル版「ファニーゲーム」の感想です。
この映画はオリジナルと同じ脚本、同じカメラアングルやカットで撮影されたリメイク作なんです。
ただ役者がアメリカ人俳優という違いがあるだけです。
でもオリジナルを見たのとほとんど相違ないので、オリジナルの感想=この作品の感想でもある訳なんですがね。



映画をあまり見ない人、またはハッピーエンドが当たり前と思いがちな人がこの映画を見ると腰を抜かすでしょう・・・と言うより腹立たしさで不愉快に感じると思いますね。
とにかく2人組の青年の不愉快なまでの鬱陶しさは尋常じゃないし、捕らわれの身となった親子の最初の犠牲者が子供ってのがびっくりです。
子供に紙袋を頭にかぶして締め上げ、夫ジョージに妻に裸になるよう強要させる・・・少しでもジョージが躊躇しようもんなら子供の頭にかぶした袋を締めあげ、その度に子供が泣き叫ぶ!
映画でここまでする描写ってないですよね~
そして意図も簡単にライフルで子供が撃ち殺される・・・

通常のパターンなら何とか主役であるナオミ・ワッツが隙を見て反撃に転じ、最後は何とか犯人をやっつける・・・ま、夫は殺されたとしても子供はなんとか助かる・・・しかしこの映画はそんな定石パターンが完全に裏切られる。
どことなくそう言う定番的な布石のような描写があるんですが、それは観客に淡い期待抱かす小道具に過ぎず、逆に観客の期待を裏切る為の布石なんですね~
この“悪意”に満ちた演出はもうお見事としか言いようがないです。
この映画を見て不快感を持ってご立腹された人は監督の思惑にハマったことになるかも?

一例として前半に船に置き忘れたナイフが何か意味ありげにカメラが捉え、ラストでアンがそのナイフを手にしたとき、大方の観客は「そうか、ここでこのナイフが使われるのか・・・これでナオミワッツが反撃すんねんな」と思うだろうし、またそんな感じの描き方なんだが、あっさりナイフは取り上げられ湖にポイッと捨てられる!この時の絶望感は凄いよね~感客さえもガックリさせて、「一体どういう結末なの?」と不安感を煽る。



またラスト手前でアンが隙を見てライフルを奪い、ピーターを撃ち殺してしまう。
「やっと一人退治したか!」という観客の喜びもつかの間、相棒であるポールがうろたえて「そんなのダメだよ・・・リモコン、リモコン」とDVDのリモコンを探し出し、リモコンで巻き戻しするや何と映画が巻き戻ってしまう!
そしてピーターが撃たれる前のシーンが戻り、アンがライフルを奪う一歩手前でそれを阻止する・・・これによりピーターは撃たれないという仰天シーンが出てくる。
そこまでして悪に勝たしたいという意図的な悪意が感じられる監督の嫌がらせのような演出は凄いね。
またまたラストでポールがカメラ目線で観客に「こんな結末で納得しますか?」と
観客を逆撫でするようなこといいます。

監督はこの映画の意図として劇場という名の安全圏に居る観客への挑戦。
それは予想を裏切られていく不安感、最悪の結末に突き進むまでの感情の動揺を観客に体験させることではないでしょうか?
わざわざ金を払って嫌なもの見ることはないでしょう。
また作り手もそんな観客の神経を逆なでするようなのは作ることは無いだろうし・・・しかしそれを敢えてやってのけたこの映画は凄いと思います。



何の抵抗もなく最後の生き残りであるアンが縛られたまま湖面に船から突き落とされて殺されるアッサリとした感覚は劇的に殺されるより数倍怖いし、衝撃度も大きい。
悪が勝つ映画は他にもあるでしょうが、この映画ほど悪質かつ酷い悪党が堂々と次の犯行に移るところで終わる後味の悪さはちょっと無いですね。
また冒頭と同じあの耳障りなハードコアノイズな曲が流れるのが次なる犯行を象徴しています。

ナオミ・ワッツとティム・ロス、そしてマイケル・ピットと言ったハリウッドスターが出てるけど、個人的には犯人の2人はアメリカ人俳優ではなく、ヨーロッパ系の無名の俳優を起用したほうが陰湿さは増したんではないかな?
オリジナルの方が冷徹な雰囲気がありましたからね・・・しかし嫌な映画だよ・・・でも好きよ

余談ですが、ブラとパンティ姿で手足を縛られたナオミ・ワッツが縄をほどこうとして、体をくねらせ立ったり座ったりするロングショットでのシーンは個人的にエロエロ度満点でした。



★★★★★ 2009.2.5(木) テアトル梅田1 18:50 B-10



No.015 「シャッフル」 (2007年 96分 ビスタ)

2009-02-06 23:10:55 | 2009年劇場鑑賞
監督 メナン・ヤポ
出演 サンドラ・ブロック
   ジュリアン・マクマホン
   ニア・ロング



今日は珍しく梅田での映画鑑賞でしかもテアトル梅田と言うミニシアターでの連続鑑賞。
いつも行く難波や布施と違い一際人通りが多いですね~
大阪のミニシアターでも今となっては1番古い劇場になりましたね(もっと古いと思われる日本橋の国名小劇と言う32席の劇場は今はポルノ映画になってしまったしね)
本来の目的はこの後に鑑賞する「ファニーゲーム USA」なんですが、時間が上手く合ったんでこの作品を先に鑑賞することになりました。



(あらすじ)

二人の娘に恵まれ、郊外の一軒家で暮らすリンダ(サンドラ・ブロック)のもとに出張中の夫(ジュリアン・マクマホン)が交通事故で亡くなったという訃報(ふほう)が届く。
突然のことに動揺した彼女は母親(ケイト・ネリガン)に手伝いに来てもらい、どうにか平静を保とうとする。
だが、翌日彼女が目を覚ますと、死んだはずの夫がキッチンにいて……

まず一週間の曜日がシャッフルされバラバラに訪れるという斬新な設定に興味が惹かれます。
最初が曜日などが画面に表示されないのでいったい今は何曜日なのか見て側もわかりづらかったんですが(主人公はもちろんの事) 途中から夫が事故死したのが水曜であるのが判明し、まず観客の頭が徐々に整理され、やがて曜日がシャッフルされてるのに気付いた主人公が曜日の一覧表を作りだしたシーンから観客と主人公が曜日の迷宮を探ることになる。
カラスの死骸、謎の女、娘の顔の傷・・・バラバラな手がかりがだんだんつながってくる後半からは主人公のサンドラブロック同様に運命の水曜に近付いていく・・・この辺のサスペンスの盛り上げ方はなかなか面白いです。



ただサスペンス映画としては捻りの利いた展開でありながら、期待した割には結末がやや尻すぼみな感がある。
最後にトドメの一捻りを期待したものとすればアテが外れた感じ・・・
しかし作者の狙いはそんなトワイライトゾーンもどきな不思議な奇談ではなく、人間の精神面にスポットを当てたドラマにしたかったようです。
冷静に見れば辻褄の合わない部分は多々あるものの、見るものを画面に引き付けてラストまで見せてくれる監督の手腕はたいしたもんです。

大切な者を失ったとき改めて知る大切なもの・・・♪何でもないような事が幸せだったと思う・・・THE虎舞竜の歌を思わせるようなテーマが根底にあるような気がします。



★★★ 2009、2.5(木) テアトル梅田2 16:30 C-8

No.014 「007/慰めの報酬」 (2008年 106分 シネスコ)

2009-02-03 00:05:46 | 2009年劇場鑑賞
監督 マーク・フォースター
出演 ダニエル・クレイグ
   オルガ・キュリレンコ
   マチュー・アマルリック



待ちに待った007最新作の登場です。
何となく前日にロジャームーア最後のボンドになった「007/美しき獲物たち」をDVDで鑑賞して雰囲気を煽っておりました。
前作「カジノロワイヤル」から6代目ジェームズボンドとなったダニエル・グレイグの第2作となるこの映画ですが、賛否両論の中で公開された前作で予想を超えるハマリ具合を見せてくれましたが、真価が問われそうなこの映画はさてどうなるでしょうか・・・
先週に続いてTOHOシネマズなんばでの深夜レイトショーですが、さすがミナミだけあって23時近いんですが人出は多いです。

(あらすじ)

愛する人を失ったジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)は、彼女を操っていたミスター・ホワイト(イェスパー・クリステンセン)を追及するうち、新たな悪の組織の陰謀を知る。
それは謎の組織の非情な男、ドミニク・グリーン(マチュー・アマルリック)が南米のある政府の転覆と同地の天然資源を手にして、世界を支配しようとするものだった。



今回もお馴染みの銃口の中をボンドが出てくるカットはありません。
そしていきなり唐突に始まるカーチェイスから映画はスタート。
素早く細かいカット割りでのチェイスシーンは「ホーンアルメイタム」を思わします。
前作からとにかくアクションがハードになり オールドファンにすれば007らしくないと思うかもしれないけどまぁ時代ですね~ ショーンコネリーの頃は正当的なアクション ロジャームーアの頃は奇想天外なアクション・・・時代によりボンドのアクションシーンも変化してますね

今回は前作から1時間後の話しとの事・・・よってストーリー的にも前作から続いてるので前の作品見てからでないと、着いて行くのにしんどいです。
私も前作見たけど細部はもう正直覚えてないのでよく解らなかったです。
「カジノロワイヤル」を予習しておくべきでしたな~(まったく関係ない「007/美しき獲物たち」は見たんだが・・・そんなん見てる場合じゃなかったか)
流行りの2部構成見たいとまでは行かないとしても前作を踏まえて見るか見ないかで印象が大分違います。そこに来てストーリーも複雑なんで参りました。
しかし個人的には新たなニューストーリーで行ってほしかったですね。



まぁ次回からは多分新しいストーリーになることと思いますので新生ジェームズ・ボンドが本格的に動き出すでしょう~
エンディングもそれを示唆してるかのようでしたからね

アクションはますます激しくなり見応え充分です。
それは存分に楽しめましたし、ダニエルグレイグのボンドもハードボイルドな雰囲気で独自のカラーを出してます。
とにかく次回作が楽しみです



★★★ 2009.1.31(土) TOHOシネマズなんば スクリーン4 22:50 C-12

No.013 「誰も守ってくれない」 (2008年 118分 ビスタ)

2009-02-01 01:40:53 | 2009年劇場鑑賞
監督 君塚良一
出演 佐藤浩市
   志田未来
   松田龍平



本日二本目の映画は邦画で佐藤浩市主演の最新作「誰も守ってくれない」
実はこの映画見る前に先日テレビで放送された映画との連動ドラマ「誰も守れない」を録画したのを見たのですが、映画版の前フリにしてはなかなかドラマとしても完成されていて面白かった。
テレビ版のラストと映画のオープニングが被る形でスタートします。

(あらすじ)

平凡な4人家族の船村家で、ある日、一家の未成年の長男が小学生姉妹殺人事件の容疑者として逮捕されてしまう。
東豊島署の刑事・勝浦(佐藤浩市)は容疑者家族の保護を命じられ、保護マニュアルに従って15歳の沙織(志田未来)をマスコミの目、そして世間の目から守るため、ホテル、アパート、マンションと逃避行を始める。



ドラマは被害者の家族(木村佳乃扮する娘を守る)を保護したのに対して、映画は加害者の家族を保護と言う視点で描かれる。
映画の中で「加害者の家族を守るなんて・・・」と非難を浴びせる場面があるけどテレビ版を見ると被害者もキッチリ守ってます~
そんな意味でも決して加害者の家族も被害者の家族も立場の違いこそあれ様々な苦しみがあるのをこのテレビ版と映画版で見せてくれます。

そしてこの映画版では加害者家族がマスコミや世論にさらされるのを刑事が保護するのだが 志田未来扮する殺人犯の妹を佐藤浩市扮する勝浦刑事が保護していくのが、最初は反発し心を閉ざしている妹なんだが徐々に勝浦に心を開いていく(まぁ、この辺の描き方は実によくある¨映画的¨な展開だが)・・・



そんな二人のドラマが中心ですが、それ以上にこの作品で印象的なのは過熱するマスコミ報道やネットによる言動や誹謗中傷による怖さ・・・(少し一部描写がオーバーな気もしないでもないんだがね)テレビ版はまだ人間ドラマ的な部分が作品に出ていたが、こちらの映画版は人間ドラマよりそちらの方が前面に出ていたと思います。
鑑賞後も佐藤浩市演じる勝浦と志田未来演じる沙織のドラマの顛末より「ネットは怖いね~」て言う感想が先に出て来ちゃったよ。
でも未成年の加害者の家族は名前が出る事による家族の影響を考慮して書類上ながら両親を一旦離婚させ、再び妻側の籍に旦那が入り名前を変えるといった事が手際よく進められのにびっくり!「へぇ~そこまでするんや!」と思ってしまった。

また過熱する報道以上に怖いのがネットによる攻撃・・・匿名による集団攻撃は単にカキコミによる誹謗中傷に留まらず家族の本名や写真や刑事の住所などの個人情報があっと言う間に広がる恐ろしさ!
そんなにネットに脅かされてる沙織が大切に肌身離さず持ってるのがよりによって携帯電話ってのも今の世の中を表してるね。
沙織がネット社会のコンテンツの一つである携帯電話を何よりも大事にしてるところがまた皮肉めいて、またいつ立場が逆転してもおかしくない危うさを感じます。



ドラマ的な部分はテレビ版の方がよかったが、何かと現代的な問題提議としてはこちらの方があったかな?またハンディカメラを使ったドキュメンタリータッチな手法も効果的でした。

それと主役二人以上にいい味出してた脇役がよかったね。
特に柳葉敏郎と松田龍平・・・てっきり予告で見る限り被害者の家族と思ってたギバちゃんが凄いいい人でいい味出してます。
また松田龍平は映画版はあまり出番ないけど、テレビ版で見せた芝居はもう凄いの一語でした。
段々と顔立ちや振る舞いが親父さんに似てきたな~



★★★★ 2009.1.29(木) 布施ラインシネマ10 北館 シネマ2 19:00 G-9