いよいよ100本目はこの映画
この映画に関してはまさに見たと言うより体験したと言う感じでした
当時は35㎜版と限定された大都市の数館で70㎜版が公開されてました
70㎜版はコッポラ監督の意向でエンドロールが無い為にスタッフとキャストの名前が入ったプリントが劇場で配られてましたね
そして当時中学生だった私が見たのは限定された数少ない劇場である難波の南街劇場の70㎜版でありました
巨大スクリーン一杯に広がる原野、ドアーズのジ・エンドのイントロが静かに流れる中をヘリコプターの機影が原野を横切る
そしてジム・モリソンのボーカルが入ると同時に原野は紅蓮の炎に包まれる…ベットで目覚めたウィラード大尉の真上に天井の扇風機とヘリコプターの音が被さる
「サイゴン…」とつぶやくウィラード大尉
この一連のオープニングは鮮烈な印象を叩きつけてくれました
ジャングルの奥地で神と崇めされるカーツ大佐を暗殺するために船で川を行くウィラード大尉一行が体験する様々なエピソードは我々観客さえも旅を共にする事になるのであります
ギルゴア中佐の無茶な理由からベトコンの村を爆撃する有名なシーンの凄い事!
ワルキューレの騎行が南街劇場全体に響き渡り、爆弾の爆烈音が椅子を揺らす!
ドルビーサウンドの凄さを初めて体験させてもらいました
まさに劇場が戦場になった瞬間でしたね
南街劇場の高い天井にワルキューレがこだましてましたよ
プレイメイツが慰問に来るシーンの兵士たちの凄まじい喚声とロックンロールのリズムが観客もその場に居てるかのように感じさせてくれます
! 子供心に戦争ってイかれてるよなー
何て偉そうな事を思ったもんです
ジャングルから突然に虎が出てきてビックリ!
このシーンは「キャリー」の手に並んでビックリシーンの双璧です(笑)
川の向こうに現れるカーツ大佐の帝国
公開当時に賛否両論だったウィラードとカーツとの対決は難解だと言われたが、中学生だった私はそんな難しい内容より、マーロン・ブラント扮するカーツ大佐の異様なオーラにわけわからなくても圧倒されるのであります
牛の首をはねる儀式の映像とウィラードがカーツを暗殺するシーンを交互に見せる演出がただただショッキングでしたね
戦争とは人を狂わせてしまい、生と死の感覚を狂わせてしまうんやなーと中学生だった私はそんな印象を持ち南街劇場での狂気の旅を終えるのでした
これで人生50年間の100本を選びましたが、しかし他にも100本入れても良い作品が多々あるので、番外編として100本入れてもおかしくない番外10を近々選びたいと思います