MOVIE KINGDOM Ⅱ

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ポイントは★~★★★★★★

No.037 「ファミリー・ツリー」(2011年 115分 シネスコ)

2012-05-24 00:27:32 | 2012年劇場鑑賞
監督 アレクサンダー・ペイン
出演 ジョージ・クルーニー
   シャイリーン・ウッドリー
   アマラ・ミラー



アポロシネマ8でのレイトショー~客は4~5人の寂しさです
アカデミー賞にもノミネートされた主演の作品ですが、こういう系列の作品は興行的には苦戦しいられますね

(あらすじ)

マット(ジョージ・クルーニー)は、妻と2人の娘と共にハワイで暮らしていた。
ところがある日、妻がボートの事故に遭い、そのまま昏睡状態となってしまう。
それをきっかけに、妻が彼と離婚するつもりだったことや、そのことを長女(シャイリーン・ウッドリー)だけでなく友人たちも知っていたことが判明しショックを受ける。



オープニングのカットがパワーボートで楽しそうに海上を疾走する主人公の妻の姿が映しだされるが、これ以降元気な妻の姿は出てこず、後は病院のベッドで瀕死の状態で横たわる場面だけです
寝てるだけの芝居も大変でしょうね~
妻の事故をきっかけに妻の不貞を知り、しかも離婚を考えていたと言う・・・
幼い次女とは付き合い方が判らず、ませた長女に至っては相手にしてもらえない・・・
そんな色んな事が一変に圧し掛かり、土地の売却問題と併せて苦悩する主人公をジョージ・クルーニーが自然体で演じている

そこに現実的に見れば悲壮感もあり、シリアスなホームドラマにも出来るが、どことなくユーモラスな雰囲気は見ていて「お気の毒ね~」と苦笑いつつ見てしまう気軽さが良いですね
この辺の絶妙なバランスは素晴らしいです

土地の問題と妻の生死の問題を抱えつつ、浮気相手探しを娘たちと始める主人公の混乱ぶりはコミカルだけど、その気持ちも判らなくもないし、こん睡状態の死期の近い妻に病室で散々文句を言うシーンもまったく自分だけ浮気の事実を知らなった悔しさと腹立たしさにじみ出ていて、危篤状態でも容赦しないその主人公の姿はユーモラスながらどこか胸に迫るもの感じさせる
浮気相手の家に別件を装い踏み込んでいき、挙句帰り際に浮気相手の妻にキスして帰るシーンはどことなく見てるこっち側もスカッとし気分にさせられたよ



この妻の事故と浮気という家庭に取っては最悪の出来事が、逆にキッカケとなり父親と娘たちの距離が縮まっていく
気がつけば娘たちもしっかりしだし、ついでに騒動に加わる長女のボーイフレンドのチャラ男まで一皮むけているではないか・・・
家庭崩壊の危機から家族が一つになり、やがて再生されていく過程を描かれた秀作だが、でもこの騒動で反対に別の家庭が崩壊していく事実があるのをこの映画さりげなく教えてくれるのも見逃せない。
人生の中の悲喜劇を絶妙なバランスで見せてくれた作品でした




★★★★★ 2012.5.21(月) アポロシネマ8 スクリーン3 20:15 F-10