MOVIE KINGDOM Ⅱ

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ポイントは★~★★★★★★

No.019 「ヒア アフター」(2010年 129分 シネスコ)

2011-03-14 00:12:11 | 2011年劇場鑑賞
監督 クリント・イーストウッド
出演 マット・デイモン
   セシル・ドゥ・フランス
   


今のこの時期にこの映画の順番になってしまいました・・・
3月10日の木曜にこの映画を見たんですが、オープニングの洪水のシーンのリアルな描写が凄まじく印象的だった。
しかしその十数時間後にあんな恐ろしい実際の映像を目にするとは夢にも思いませんでした
3月11日に東日本巨大地震が起こり、TVで流された大津波の映像はショッキングでした
まさの前日映画で見たような、あっと言う間に津波が街を飲み込んでいく光景がそこで流されていて、映画の中でしかあんな光景は見た事もないし、まさかこの日本で目の当たりにするとは・・・
あんな映像はILMとかデジタルドメインの特撮だからこそ・・・と思って映画の中の出来事として見ていた事柄が実際にそれを上回る自然の破壊力と凄まじさを見せつけられた思いでした
被災された方々にはお見舞いと亡くなられた方にご冥福をお祈りいたします

(あらすじ)

霊能力者としての才能にふたをして生きているアメリカ人のジョージ(マット・デイモン)、津波での臨死体験で不思議な光景を見たフランス人のマリー(セシル・ドゥ・フランス)、亡くなった双子の兄と再会したいイギリスの少年マーカス。ある日のロンドンで、死に取りつかれた3人の人生が交錯する。



津波で臨死体験した女性、双子の兄を交通事故で亡くした少年、そして霊界と交信できる能力に嫌気をさした男。
3人の登場人物が共通するのは死・・・
人間死んだらどうなるのか?という素朴な疑問とともにこの映画は死後の世界や霊界をテーマにしたクリント・イーストウッド監督にしては珍しいテーマといえましょう

でもそういう超異常現象を描いたオカルトチックな作品ではなく、いろんな意味で死というもの取りつかれた者たちが癒しと安らぎを求めてさまようドラマ。
臨死体験により人生の考え方が変わったTVキャスターが誰からも理解されず、孤独になっていく姿は死と言うもの触れてしまった事の代償のようです。
そんな彼女が安らぎを得るにはその死と言うものに対して解りあえる人間と出合えることでないでしょうか。
この映画の登場人物たちが死というものを介して交わっていく展開がまさにそれを物語ってるかのようです



淡々と静かに進行していくドラマの展開はクリント・イーストウッド監督の演出の冴えとその語り口がどことなく優しくもある。
深い味わいの作品で、凄まじい迫力だった冒頭の災害シーンが終わって見ればさほどインパクトが強くなく感じるから不思議だ。
それだけドラマがしっかりしてるって事でしょうね



★★★★ 2011.3.10(木) MOVIX八尾 シアター7 18:40 E-12