MOVIE KINGDOM Ⅱ

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ポイントは★~★★★★★★

No.082 「ユナイテッド93」 (2006年 米 111分 シネスコ)

2006-08-19 01:27:01 | 2006年劇場鑑賞
監督 ポール・グリーングラス
出演 ハリド・アブダラ
    ポリー・アダムス
    オパル・アラディン



2001年9月11日日本時間午後10時頃自宅にて・・・あれはちょうどたまたまテレ朝のニュースステーションが始って早々にTVを付けた時に写し出された黒煙を上げるニューヨークWTCビルの映像。
小型飛行機が激突!って速報で流れてたの見て「何でまたあんなとこにぶつかるんかな~」何て思って、何気なくNHKをかけたら同じようなCNNの映像が流れててアナウンサーと解説員の話が・・・と思ってたら旅客機がスーと飛んできてビルに激突!!!
「お~当った瞬間撮ってたんか・・・凄いな・・・ん!?・・・黒煙を噴いてるビルの隣やぞ今の・・・まさかまた1機突っ込んだんか!」と思ったらアナウンサーが「今また1機が・・・」これは衝撃的な映像でした。
友人から電話がかかり「見たか?テロやな・・・これは」
そういえば何かの番組でテロリストが米国にテロ仕掛ける・・・て言うてたな・・・今思えばそのテロリストこそウサマ・ビィンラディンでしたね・・・

日本人の我々でもショッキングなこの出来事は、米国人に取ってははかり知れない衝撃だったでしょうね。
そんな衝撃がまだ癒えてない2006年の今年に製作され上映された9.11の映画。

(あらすじ)

2001年9月11日。大勢の乗員・乗客を乗せたユナイテッド航空93便は、離陸後にテロリストによってハイジャックされていることが判明する。やがて、その情報は搭乗者のみならず、地上にいる彼らの家族や管制塔にも伝わった。耳を疑う情報が流れ、想像を絶する恐怖に襲われながらも、機内の人々は一丸となってある決断を下す。

冒頭アラブ人のテロリストが決行前夜にホテルでお祈りをし、バスルームで体を清める場面から始るが、このテロリスト役してる俳優さん嫌やろうな~と思ってしまいました。
それほど冒頭からラストまで生々しい映像が続きます。

乗客が飛行機器に乗り込む場面と同時に管制塔の朝の模様などを写しながら運命の数時間が始る・・・まさにその場に居合わせてるような臨場感は半端なもんではありません。
これほど圧倒されながら映画を見たのはある意味初めての体験です。
痛々しいほど生々しい映像に鑑賞後かなりブルーになりました・・・そこには映画でお決まりのヒーローは居ない・・・恐怖におののき、やがて悲惨な結末を迎える事になる普通の人々たちだけ・・・

最初のハイジャックの発覚から混乱する管制塔、錯綜する情報、そして更なるハイジャック機の発覚・・・もの凄い臨場感は映画をある意味超えているかも?
実際の管制官が出ているのも雰囲気を出してるし、また9.11のその時に居合わせた管制官は自分の役で出演していたりと、この辺は傷が癒えてない今だからこそ、徹底したリサーチと忠実な再現に作り手の使命感を感じます。
遺族や関係者のインタビューも膨大だったそうですね。
遺族の方々にすればかなり辛い映像の連続だと思うんですが、それでも敢えてこの作品への惜しみない協力は、「残して置かなければならない悲劇」と捉えているからなんだろうな~
また地上での管制官や軍の動きなど見てて「こう言う状態だったのか・・・」と改めて事の大きさを認識してしまいます。

劇中でも出てくるように乗客の多くは携帯電話で外部と連絡を取っていて、その辺のやり取りから機内の出来事を再現したようだが、実際そこで何があったかは、亡くなった乗客乗員にしか分からないんだろうけどね。
でもこの93便だけ目標に到達することなく墜落したのは、乗客たちの勇気と生への執着、そして愛する人にもう一度会いたいていう気持ち・・・未曾有の恐怖の中で立ち上がった人々に敬意を表したくなりますね。

機内での場面での手持ちカメラの多用は臨場感が出てるし、知らない役者ばかりを使ってるのも真実味がありますよね。
墜落していく中での乗客たちの行動は普通の映画ならハラハラドキドキの場面なんだけど、どんだけ頑張っても結果がわかってると言う映画を見てる側の空しさが余計に辛いです。

そして呆気ないまでの映画が終わる瞬間の衝撃・・・胸にズシーンと来ましたね。



★★★★★★ 2006.8.17(木) 動物園前シネフェスタ4 シネマ4 15:55 2列目