黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『いっぺんさん』朱川湊人(実業之日本社)

2007-10-04 | 読了本(小説、エッセイ等)
祖母から聞いた、一回だけならどんな願いでも叶えてくれるという、神社“いっぺんさん”。白バイ警官になりたい、という夢を持っている友達のしーちゃんの家庭は複雑で、それ故にその夢をあきらめなくてはいけないのではないかと悩む彼と一緒に、そのいっぺんさんにお願いに出かけた私だったが……『いっぺんさん』、
“ゆきおんな”“いっすんぼうし”“くらげのおつかい”“かぐやひめ”4つの昔話になぞらえた、子供たちの物語。その行方は……『コドモノクニ』、
ひょんなことから、鳥使いの中山さんの手伝いをすることになった浩輔。彼の営む“小鳥のおみくじ”で活躍していたヤマガラのチュンスケが、ある日死んでしまい……『小さなふしぎ』、
リストラされた“俺”は、自分の経験不足を補う為、バイクで一人旅に出た。そこで出会った女性に紹介されたのが、彼女の妹が住むという小さな村。そこには若い女性しかおらず……『逆井水』、
むごたらしい死を迎えた妹・アケミ。重い病を克服した彼女だったが、自分は蛇だと言い出し……『蛇霊憑き』、
新しい恋人ができた母に気を使い、4年ぶりに祖母の家1人やってきた阿佐美。しかしその田舎町には、奇妙な人影が……『山から来るもの』、
叔母の見舞いに訪れた私は、そのついでに海辺にやってきた。そこでイヤリングを探す女性に出会うが、彼女は実は幽霊。その後、彼女を知る男性が謝りにやってきて……『磯幽霊』、
“八十八姫”という守り神の存在を信じる土地に生まれ育ち、幼き日から共に遊んでいたハスミと僕。しかしある日、流れ着いた櫛を拾ったことをきっかけに……『八十八姫』の8編収録のホラー短編集。

『いっぺんさん』が悲しいけれど、ほのぼのと心温まるような読後感。『八十八姫』は、子供である自分の無力さを痛感させられるあたりが切ないですね~(涙)。

<07/10/4>


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