黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『シカゴよりこわい町』リチャード・ペック(東京創元社)

2009-07-07 | 読了本(小説、エッセイ等)
夏休みに入った8月になるたびに、住んでいたシカゴから田舎の町に住む祖母の元へと預けられていた兄妹…兄のジョーイ(後にジョー)と妹のメアリ・アリス。しかしその祖母は、大柄で、豪胆でとんでもなく型破りな性格。(1929年に9歳と7歳だった)彼らが過ごした7回の夏の出来事(+その後のジョー)を描いた連作短編的長編。

新聞にショットガン・チータムという男の訃報が載った。
その名前の派手さに釣られ、生前のチータムの様子を聞こうと都会から取材にやってきた記者。町の人々に聞いてまわった後、祖母の元へもやってきたが……“ショットガン・チータムのこの世で最後の晩*1929”、
祖母の家の郵便受けが爆破され、粉々に。牛乳配達をしているカウギル家の兄弟の仕業だとにらんだ祖母は、彼らに罠を仕掛け……“牛乳の中のネズミ*1930”、
祖母と共に、立入を禁じられた川に密漁に出かけた。そこで保安官O・B・ディッカーソンたちに見つかってしまった上に、乗っていたボートは彼のもので……“女ひとりで犯罪急増*1931”、
銀行家ワイデンバック氏の夫人がやってきた。郡の共進会で町の名をあげる為、ブルーリボン賞をとりたいという。ついては、祖母のスグリ菓子を出品して欲しいというのだが……“審査の日*1932”、
母親に搾取されている娘バンデーリア・ユーバンクスが、ダウデル家に逃げ込んできたのを密かに匿ったメアリ・アリス。娘を返せと母・アイデラが乗り込んできて、おまけに保険代理店のスタブスの家の息子・ジュニアが彼女と駆け落ちを考えているらしく、彼の親まで乗り込んで……“ブレーキマンの幽霊*1933”、
祖母の宿敵エフィ・ウィルコックス夫人がわたしたちと入れ替わりに、町を去った。銀行に家をとられたらしい。
そんな中、教会の慈善バザーで牧師の忘れた古いシルクハットと伯母の古いキルトを出品した祖母は、ある細工をし……“羽のあるもの*1934”、
町で百周年記念祭が催されるという。ワイデンバック夫人は、雑用をする人手が足りない為に、祖母に手を貸して欲しいとやってきた。自分は戦争で父の世話や甥の朗読を見るのに忙しいからだ。そんな様子に祖母はある策略をめぐらせる……“百周年記念の夏*1935”
第二次大戦が勃発。陸軍航空隊に入隊したジョーは、駐屯地へ向かう途中で、祖母の町を通りかかった……“軍隊輸送列車*1942”とプロローグを収録。

おばあちゃんと田舎で過ごした夏の出来事がジョーイ視点で描かれています。
厳しい時代を生き抜く、彼女の型破りっぷりが痛快で、楽しいです♪

<09/7/7>


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