黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『こいしり』畠中恵(文藝春秋)

2009-04-25 | 読了本(小説、エッセイ等)
江戸は神田で、八つの支配町を持つ古町名主の高橋家。その跡取り息子の麻之助と武家の出で、吉五郎の従姉妹である野崎寿ずの婚礼が決まった。
ところがその当日、高砂を謡うことになっていた、幼馴染の八木清十郎の父で隣町の町名主・源兵衛が倒れた。以前も患った卒中が出たのだ。
婚礼は延期されたが、源兵衛は無事回復。ところがその源兵衛が、清十郎に昔訳ありだった2人の女性…元筆屋の娘・お鶴と、元奉公人・お伊代の存在を明かし、その後彼女たちが幸せに暮らしているかを確認して欲しいと頼んだという。
麻之助と、親友で同心見習の相馬吉五郎は、一緒に2人の行方を探すが……『こいしり』、
源兵衛が亡くなり、お由有は寡婦に。複雑な心境に、思わず溜息をつく麻之助。そんな彼の元に、3匹の子猫がやってきた。
吉五郎の姉の子・おこ乃の家で生まれた猫たちだが、最近巷で化け猫の噂が広がっている為、貰い手がいないのだという。しかもこのままでは、おこ乃の父に始末されてしまう運命らしい。
かくして子猫たちを救うべく、化け猫の噂の元を辿り始めた麻之助は……『みけとらふに』、
吉五郎が使っている岡っ引きの丈吉が世話になっている商人・多賀屋が知り合いの商人とともに紙入れを盗られたと訴えてきた。発句の会で知り合った梅丸という男に誘われて参加した、百物語の席で掏られたという。同様の被害にあったという百一という男は、その紙入れの中に行方知れずの娘の形見を入れており、それを取り返したいのだという。その手伝いをすることになった麻之助たちは……『百物語の後』、
麻之助の父・宗右衛門が3日程前に、突如として大山参りに出るといいだし、その間、町名主の仕事の名代を麻之助が受け持つことに。
そんな中、吉五郎がお寿ずの姉の嫁いだ旗本に奉公しているおせんを連れてきた。献残屋・山中屋が実家であるおせんには、縁談が決まっていたが、その相手からもらったという神田明神の勝守を落としたのだという。その後、自身番でそれは見つかったが、他にも名乗り出た落とし主がおり、引き取れないという。何とかそれを引き取れるように、麻之助に口添えをして欲しいという。
ところが、そこへ清十郎がお由有の実家である札差の大倉屋の番頭・彦三を連れてきた。彦三の話も、おせんと全く同じ…つまり、もうひとりの落とし主は彼だったのだった。彦三は近く上方へ相場を学びに行くことになっており、それまでに取り戻したいという……『清十郎の問い』、
町内にある炭屋の主・大岩屋正蔵が高橋家にやってきた。しかも麻之助に頼みがあるという。
曰く、病を得、医者から余命が少ないことを告げられた大岩屋は、今まで遊ぶことのなかった人生を振り返り、最後に遊び倒したいのだという。その手ほどきを遊びなれた麻之助に頼みたいらしい。
しかしその後、大岩屋の姪・おゆらがやってきて、伯父はたいした病気ではなく、金を景気よく使い遊びたいだけだと主張する。結局話し合いの末、大岩屋と麻之助と一緒に彼女もついていくことに。ところが当日、そこへさらに大岩屋の手代で甥の万次郎も現れて……『今日の先』、 
お寿ずが麻之助に突然、三行半が欲しいと言い出した。何者かから恋文が届けられ、それがどうやら麻之助がお由有に出したものと取れる内容らしいのだ。
自分が書いたものではないと主張する麻之助はその疑いを晴らすべく、お寿ずとともにその手紙の出所を辿ることに。
調べてゆく中で、それが清十郎の6歳になる弟・幸太が、手習所の反故の中から持ってきたものだと知れるが……『せなかあわせ』の6編収録の連作短編。

『まんまこと』の続編。
『みけ~』で登場する猫たちがめちゃめちゃ可愛らしいvv
その後出てくるのは麻之助の家の飼い猫に納まった“ふに”だけですが、他の子たちもまた出てきて欲しいです~(笑)。

<09/4/25>


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