黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『午前零時』鈴木光司、坂東眞砂子、朱川湊人、恩田陸ほか(新潮社)

2007-08-05 | 読了本(小説、エッセイ等)
夜のバー。ひとり文庫を読む女を見かけた男・智貴は、彼女に惹かれ、声をかけようとタイミングを伺っていた。一方、その女・玲子は、今は亡き恋人との思い出を振り返っていた……鈴木光司『ハンター』、
目が覚めると、午前零時。わたしは老いた母が独りで暮らす実家に戻っていた……坂東眞砂子『冷めたい手』、
近所の酒屋の青年から、“夜中の12時まで起きてると、今日が昨日になって、明日が今日になるところが見られる”という話を聞いてきた弟と一緒に、その瞬間を待つことになった私は……朱川湊人『夜、飛ぶもの』、
狭い部屋の中に立てこもり、外からの攻撃から身を守る少女たち。16歳になる、12時を過ぎたら卒業できる……恩田陸『卒業』、
家柄も年収も容姿も、何もかも秀でた妻を持つ吉井。しかし彼自身は、中途半端な会社員で……貫井徳郎『分相応』、
記憶を全くなくし、海岸に倒れているところを発見された私は、記憶喪失者を専門に雇うという研究所に身を寄せることになり、“ゼロ”という名を自らにつけるが……高野和明『ゼロ』、
ローカルの深夜番組に、その他大勢として出ているタレント・やまもと菜穂子こと山本直子。午前零時を過ぎた頃、見たこともない風景ともうひとりの自分の幻影を見る……岩井志麻子『死神に名を贈られる午前零時』、
仕事も恋人もすべてを失ったわたしは、すべてをネットショッピングですませ、ひきこもる日々。ある夜、頼んでいない荷物が午前零時の配達指定で届き……近藤史恵『箱の部屋』、
恋人・里美が飼っていた、ゴールデンレトリバーのサラ。里美がサラを置いて家を出て行った今も、帰宅時間である午前零時が近づくと玄関で待た……馳星周『午前零時のサラ』、
古本屋で見つけた“悪魔入門”。条件の良い友人に乗り換えた、かつての恋人に復讐すべく、悪魔を呼び出そうともくろむが……浅暮三文『悪魔の背中』、
町でいちばんの美女が父なし子を産んだ…しかも4人。名前は上から1、2、3、悠久。父は誰かわからないが、顔はいずれも母親そっくりの姉妹たち。やがて母親が男と出て行き、4人は娼館で働き始める……桜庭一樹『1、2、3、悠久!』、
仕事に疲れ、会社を辞めた和史はインドでひとり旅していた。町をさまよい歩いているときに立ち寄った祠にあったご神体に日本語で話しかけられ……仁木英之『ラッキーストリング』、
5年前に旅行先で、占い師から、28歳の11月1日に最初に会った人と結婚するといわれた麻希子。その運命の時、会社の打ち上げに参加することになり……石田衣良『真夜中の一秒後』の13編収録のアンソロジー。

タイトル通り“午前零時”がテーマのアンソロジー。SFあり、恋愛ものありでバラエティに富んだ内容です。
恩田さんの『卒業』だけは、短編集『朝日のようにさわやかに』に収録されているので既読。
個人的には、朱川さんの『夜、飛ぶもの』と桜庭さんの『1、2、3、悠久!』あたりが好きかな。

<07/8/5>


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