黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『かたすみさがし』田中ましろ(書肆侃侃房)

2013-10-22 | 読了本(小説、エッセイ等)
ひとすじの雨になりたいまっすぐにあなたに落ちていくためだけの
いちばんの自分の敵は自分だしあなたは敵というか、素敵だ
新雪をためらわず踏むあなたには見えない朝のかたすみに立つ
心臓を守るかたちに丸まってあなたは涙そのものになる
冬の日の死に近づいた人の目にひかりを入れる医師のゆびさき
ゆるやかな好きに支配された部屋で夜が明けるまでジェンガをしよう
ていねいにすじを取られる絹さやに正しさばかり求めてしまう
一回のオモテの妻の攻撃がもう三時間続いています
3階の窓から空に向け飛ばす輪ゴム 神さま僕はここだよ
探しもの見つけたように秋のあさ 書架の隙間に手を差し入れる

新鋭短歌シリーズ。
広告業界に身を置く方だけに、見せ方というか言葉のアピールが上手いなぁと感じます。
お父さんの闘病の際の連作が切ないですね。

<13/10/22>


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