黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『キケン』有川浩(新潮社)

2010-02-01 | 読了本(小説、エッセイ等)
某県某市に所在する成南電気工科大学に入学した元山高彦は、親しくなった池谷悟とともに、なりゆきで機械制御研究部…略称:機研(キケン)に入部することに。
不穏な噂が流れるその部の部長は、2回生の<成南のユナ・ボマー>(伝説的爆弾魔)こと上野直也で、副部長は同じく2回生の<大魔神>こと大神宏明。4回生までは華々しく活動していたキケンだが、それ故に厳しく、3回生は幽霊部員ばかりだという。かくして入部早々、新入部員勧誘に借り出された元山と池谷。仮入部の人数は集まり過ぎるほどに集まり、そして迎えた新勧の場での、アピール。上野が仕掛けた、新入部員を篩にかける方法とは……“第1話 部長・上野直也という男”、
近隣のお嬢様学校・白蘭女子大の美人女子大生・七瀬唯子が、大神の元に告白にやってきた。先日、女子大の学祭に出かけた折の、態度を見て好意を持ったのだという彼女とメアドを交換し、付き合うことになった大神。
両親が留守だという彼女の家に招かれ、出かけた彼だったのだが……“第2話 副部長・大神宏明の悲劇”
毎年学祭では、代々ラーメン店を出店しているキケン。これまで競争相手がおらず、受け継がれてきた経験もあることから毎年数十万の売上を上げているのだが、上野は今年はさらに売上を3倍にするという無謀な目標まで立ててしまう。
母が喫茶店を経営しており、部員のコーヒーの好みをすぐに覚えてしまうほどマメな元山は、その<お店の子>としての腕を買われ、店長に抜擢。ラーメンのスープの研究に打ち込むことになったのだが、今年はPC研もラーメン店で対抗してきて……“第3・4話 三倍にしろ! 前・後編”、
教授から強要され、あまり乗り気ではないロボット相撲大会に出場することになったキケン。
既に作ってあった二足歩行ロボットを改良し、<サトルくん1号>と名付けられたロボットを操縦するのは、その大会の所為で帰郷の予定を延ばされてしまった池谷。
順調に勝ち進んだ彼らだったが、決勝の場で思わぬ苦戦を強いられ……“第5話 勝たんまでも負けん!”、
上野たちが3回生に、元山たちが2回生に進級。新入部員も無事迎えたある日、何気に元山が部室で始めた空気銃でのビス撃ちが、1回生と2回生との競争に発展。ところがそれが次第にエスカレートしていき……“最終話 落ち着け。俺たちは今”を収録。

後に結婚した元山が、10年前の大学時代に経験した成南大学の部活動…キケンでの『黄金期』のエピソードを奥さんに語るお話(最終話では、それを聞いた奥さんと一緒に、開催中の学祭へ…)。
表紙から何から遊び心満載な一冊でとても楽しかったです(最後の黒板とか~)。
それだけにページ数が足りない感が…。語られていないエピソードがもっとあるはず!とか、思っちゃいますよね~。

<10/02/1>


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