黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『ファイナル・オペラ』山田正紀(早川書房)

2012-07-01 | 読了本(小説、エッセイ等)
八王子の長良神社の神主を務める明比家に伝わる秘能『長柄橋』は、十四年ごとに一家総出で演じるのが習わしとなっている。
人買いに拐かされ、異国の地で虚しく果てた梅若丸。物狂いの母はその行方を追って隅田川に辿り着いたが、時既に遅く儚くなっていたという悲話『梅若丸伝説』を元に、世阿弥の息子・元雅が作ったという謡曲『隅田川』を挿入しつつ展開され、その母が、仇である人買い・信夫藤太が出家し得度する前に、居並ぶ僧たちの目を掻い潜り、子の復讐を遂げようとする内容である。
昭和二十年東京。この年は長柄橋を演じる年回りであった。明比家の三男である花科は二十歳。
十四年前、六歳の折にも体験しているはずだが、記憶は定かではない。腹違いの同い年の子・櫻珞の他に、もうひとり燦水という呼ばれる男の子がいたように思われたが、いつの間にか消えてしまった。
さらに、梅波三郎という能役者が、何者かに殺害されるという事件が発生。
そして、『隅田川』の最中、警戒警報により中断された間に、花科の父・降雪の愛人・青磁環の毒殺された。環はその直前、シテ姿の何者かに自分の息子・薫を渡していたのを目撃されていた。
そこへ<検閲図書館>黙忌一郎が現われ……

<検閲図書館>黙忌一郎シリーズ三作目で完結編?
終戦間近の東京が舞台で、能のモチーフと現実世界をリンクさせたミステリ。
だいぶ幻惑されてるので、イマイチ筋がつかめてないかも;
……少年時代の黙も登場しましたが、昔からそんな感じだったのですね(笑)。

<12/6/28~7/1>


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