黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『祝もものき事務所』茅田砂胡(中央公論新社)

2010-12-29 | 読了本(小説、エッセイ等)
弁護士・雉名俊介に紹介され、椿江利が“もものき事務所”を訪れた。
彼女の弟・黄瀬隆は殺人容疑で逮捕され、もうじき初公判の身。
殺害されたのは、黄瀬の勤める会社の上司・渡邊光成。渡邊が以前付き合っていた、同じ会社で働く呉亜紀子は、現在黄瀬の恋人。上昇志向のある渡邊は、部長の娘と付き合うことにし、彼女を捨てたのだが、その後実は亜紀子がオーナーの孫娘であることが発覚したことから、未練タラタラで復縁したいと望んでいるが、黄瀬と付き合っている彼女はそれに応じない。そんなことから渡邊は職場で、黄瀬をいじめていたという。
アリバイもなく、目撃者も動機もあり、凶器は黄瀬の持ち物、と端からみれば疑う余地のない状況で、黄瀬自身も警察に責め立てられたとはいえ、自分の犯行と認めてしまっている。
そんな有罪確定とも思える弟の無罪を証明して欲しいというのが、事務所への依頼。弟が原因で、婚約中の恋人・吾藤田恭次の両親から婚約を解消して欲しいと言われているのだ。
所長である青年・百之喜太朗は、まるでやる気なし、覇気なし。そんな依頼にももちろん乗り気ではないのだが、有能な美人秘書・花祥院凰華により、引き受けられてしまう。
その後、調査の帰り、ひとり電車に乗って帰ることになった百之喜は、天才的な方向音痴ぶりを発揮し、東京都のはずれ、西多摩郡嶽井町に辿り着く。
迎えに行った、百之喜の幼馴染たち…格闘家・犬槇蓮翔、舞台役者・芳猿梓ら…は、旧家の豪華な嫁入り行列に遭遇する。
一方、雉名は、その地と事件関係者との関係を調べ始める……

本人にはまるでやる気がないが、やたらと事件の証拠や重要証言にぶち当たってしまう<体質>の百之喜。その有能な周辺の人たちが、それをヒントに彼の周辺の強者たちが事件の解決に当たる…的なお話。ミステリ風(笑)。
久々に現代モノですが、キャラ設定や会話の掛け合い、発言などは、いつも通り楽しいです。
……ただ百之喜の影が薄い(笑)。

<10/12/29>


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