黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『有頂天家族』森見登美彦(幻冬舎)

2007-10-21 | 読了本(小説、エッセイ等)
時は現代。下鴨神社の糺ノ森に暮らす、狸の一家がいた。
今は亡き偉大な父・総一郎と、子供たちに深い愛情を注ぐ偉大な母の血を引く4匹の狸たち……生真面目な長男・矢一郎、文字通り“井の中の蛙”となっている次男・矢二郎、気弱な四男・矢四郎…そして、化け上手だが“阿呆”な三男・矢三郎である。
そんな矢三郎が師と仰ぐのは、かつては力を誇っていたが今ではすっかり落ちぶれた天狗・赤玉先生こと如意ヶ嶽薬師坊。赤玉先生は自分がかつて攫ってきた人間の少女・弁天に天狗としての教育を施し、彼女はその才能を見事に開花させたものの、見事に捨てられていた。それでも未練たっぷりに、彼女への恋心を抱く彼の為、恋文を届ける羽目になったりする矢三郎。
確執のある叔父一家・夷川家の狸たちとの納涼船合戦、狸たちに恐れられている秘密結社・金曜倶楽部の人々との邂逅、そして“偽右衛門”の名をめぐる夷川早雲の暗躍……京を舞台に狸、天狗、人間、入り乱れての大騒動が繰り広げられ……

狸たちの“毛深き”家族愛に溢れ(笑)、どこかファンタジックでほのぼのとした雰囲気の漂うお話でした。
“阿呆”っぷりを遺憾なく発揮している矢三郎や、口は悪いけれど弁天に一途な思いを寄せる赤玉先生、京の街を闊歩する弁天ら登場人物(?)がとても魅力的vv
個人的に、(雷が苦手な)母の為に、雷が鳴ると駆けつける兄弟たちが微笑ましくて好きです♪

<07/10/21>


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