黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『やまんば娘、街へゆく 由布の海馬亭通信』村山早紀(理論社)

2009-02-21 | 読了本(小説、エッセイ等)
山の神の娘・由布は13歳。
母が、7年に1度の山の神のよりあいで富士山に行っている10月から2月までの間、姉にも内緒で妙音山を下り、風早の街へとやってきた。
目的は10年前に消えた人間の父を探すこと。母がいうように父が彼女たちを捨てたのではなく、何か理由があって帰れずにいるのではと考えていたのだ。
そんな由布が街で初めて出会ったのは、万引きして追いかけられていた少女・千鶴。彼女が縁で、その祖母・お銀さんが管理人をする下宿屋“海馬亭”に下宿することに。
人ではない存在も見ることのできる由布は、千鶴のそばに、他の人には見えないらしい、くまのぬいぐるみの姿があることに気づいていて……最初の手紙*ごめんねのくまさん、
姉の元に、手紙と共に送った写真を見ながら、千鶴の行方不明事件を思い出す由布。
お祭りの日。おたふく風邪を引いた千鶴は、学校を休んでいた。海馬亭の中のレストランの専属歌手・リリーと言い合いになった彼女は、そのまま飛び出してしまい、みんなでその行方を探すことに……二通目の手紙*とりあえず記念写真、
12月。
海馬亭に住むゲームデザイナー志望の大学生・加藤玲子の様子がおかしい。彼女がバイト先の会社で開発に携わっていたゲームのメインプログラマーが逃げてしまい、開発中止になったのだという。
404号室の幽霊の純子曰く、玲子は幽霊をしょっているという。それは男の子だというのだが……三通目の手紙*虹色タイルと宇宙船、
クリスマスも終わった、12月28日。由布がひどい風邪を引いた。しかも、どうやら住人みんなが風邪引きらしい。
そこへお銀さんの親友だという海馬亭のオーナーである老婦人・竜野優美子が療養にやってきた。ところが彼女が生霊となって抜け出ていたところに遭遇した由布。
そんな中、思いもかけない話をレストランのピアニストの伊達から聞かされて……最後の手紙*大みそかはこたつみかん を収録。

やまんば(山の神。やまんばといってもギャルではありません/笑)の娘・由布が、父を探す為街へと降りてきて下宿で暮らす日々を、山に残っている姉に送る手紙で報告する形で綴るお話。
この作品も風早シリーズ。微妙に手にタイトルとりにくい気がするのは、大人の感覚で考えるからでしょうか…(笑)。

<09/2/21>


最新の画像もっと見る

コメントを投稿