黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『朔風ノ岸 居眠り磐音 江戸双紙』佐伯泰英(双葉社)

2010-04-23 | 読了本(小説、エッセイ等)
安永三年の大晦日の夜。両国橋の上で、五十両を掏摸に遭ったと騒ぐ男を目撃した坂崎磐音。男は、尾張町の草履商備後屋の番頭で佐平だという名乗る。
長屋に帰ると、国元の中居半蔵から手紙が届いていた。そこには妹・伊予の結納を知らせる旨と、改善した物産を若狭屋へ送り、その物産の担当として、若き藩士たち…別府伝之丈と結城秦之助を着任させた旨が記されていた。
明けて翌年。年始の挨拶に今津屋に出向いた磐音は、伊予へ贈る祝いの品をおこんに見立ててもらうべく、共に駿河町の呉服屋越後屋、南塗師町の小間物商京優喜へ。
その帰り、南町奉行所定廻り同心・木下一郎太に行き会った磐音は、そこで備後屋の一族郎党が毒殺されたと聞く。気になり、一緒に現場に向かった磐音。どうやら先に騒いでいた男が犯人であるらしいのだが……“第一章 府内新春模様”、
江戸藩邸に顔を出し、伝之丈と泰之助に面会した磐音は、若狭屋に近いうちに会わせる旨を告げる。そこへ江戸家老
・福坂利高が現れ、すでに藩を抜けた磐音が屋敷にやってくることに釘を刺す。
伝之丈たちから剣術の稽古の為に、佐々木道場を紹介して欲しいと頼まれた磐音は、道場にやってきた。そこで勝ち抜き試合に参加することになり……“第二章 三崎町初稽古”、
品川柳次郎の父が、寄合旗本の大久保土佐守からの仕事を請け負ってきたという。知行所である伊豆修善寺で不穏な動きがある為、御用人の馬場儀一郎が出向くことになり、その用心棒を頼みたいというのだった。竹村武左衛門と三人で出かけた磐音。
知行所では賭場が開かれ、その利権をめぐり、渡世人・吉奈の唐次郎と網元・蓑掛の幸助らが対立しているという……“第三章 早春下田街道”、
修善寺から戻った磐音の元に、小浜藩の見習い医師・北村南哺が現れ、中川淳庵が何者かに連れ出されたらしいと告げる。
淳庵を前々からつけ狙っていた、鐘ヶ淵のお屋形様こと西尾幻楽ら仕業であると悟った磐音は、南町の笹塚孫一らとともに隠宅へと向かう……“第四章 寒月夜鐘ヶ淵”、
吉原で十数年ぶりに太夫の位の花魁を選ぶ計画が持ち上がる。
それに際し、絵師・北尾重政が襲われた話を聞かされた磐音。白鶴こと奈緒の絵を描き、評判となった重政に、太夫選びに有利となるように絵を描かせようという者が殺到したが、意に染まぬ仕事は請けない性分の彼は片っ端から断っているらしい。やがて他の絵師たちも襲われ……“第五章 待乳山名残宴”を収録。

シリーズ第8作。
関前藩の建て直すべく物産を売り出す話はさらに進み、磐音の妹の婚儀がととのい、淳庵を狙っていた黒幕たちが退治され…と、いう流れ。
若者たちがいい子なのに、江戸家老がちょっと心得違いを始めたのが危険かなぁ…。きっとこの辺はこれからの動きの伏線なのだと思いますが(笑)。

<10/4/23>


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