黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『こいわすれ』畠中恵(文藝春秋)

2011-10-28 | 読了本(小説、エッセイ等)
秋も深まった本所で、堀川沿いにある江戸七不思議の一つである『置いてけ堀』から、堀の主の声が聞こえたとの噂が。
そんな堀に、神田の町名主で色男の八木清十郎が落ち、風邪を引いて寝込んでいるところを見舞った悪友の、町名主跡継ぎの高橋麻之助と、見習い同心の相馬吉五郎。しかし清十郎は何故か理由をいおうとせず、何かを隠していると感じたふたりは、調べに出かけた堀で、川越で呉服太物を商う七国屋松兵衛と手代の岩吉と出会う。
松兵衛の五つになるひとり息子の市丸が行方知れずになっており、人々の噂から置いてけ堀の河童に連れて行かれたのでは、と日参しているという。
そんな中、妻のお寿ずから子どもができたと知らされた麻之助は、その一件に力を貸すことになったのだが……“おさかなばなし”、
江戸でさまざまな番付ものが流行る中、狂歌と書画を取り混ぜて選んだ<世神髄相撲見立番付>という番付表が発端となり、狂歌師で吉原の楼主・宇利鶴と、書画の長谷如亭こと旗本・大谷長門、その周辺の人々を巻き込んで、騒動になっているという。
双方に関わりを持つ清十郎と吉五郎に頼まれ、仲裁に入ることになった麻之助。
高利貸しの丸三や、柳茶屋の看板娘・おれんを巻き込み、ある策を実行に移して……“お江戸の一番”、
麻之助に宛てられ、高橋家に突然届けられた、差出人不明の手紙。
艶っぽい女文字を父・宗右衛門や清十郎にからかわれるが、待ち合わせの上野を訪ねると、そこには誰もいない。
やがて詫びの手紙が届き、再び待ち合わせ場所を訪ねる麻之助だが、またしても会えず仕舞で、度重なるすっぽかしに、おなご狸に化かされたのではと軽口を叩く吉五郎たち。
そんな中、お寿ずが具合が悪くなったと知らせが届く。お寿ずの幼馴染で、武家に嫁いだ志藤高が一緒にいたらしく……“御身の名は”、
両国橋袂の茶屋で、談笑していた清十郎と麻之助。
その目の前を、侍らしき若い男が走り抜け、馴染である貞吉、そして吉五郎がその後を追っていった。珍しい光景もあるものだと思っていたふたりの前に、先の男が戻ってきて、麻之助の団子をあっというまに食べて、去ってしまった。
吉五郎に団子代を請求しにいった麻之助は、よみうりに書かれた武家の妻女を誑かして金を取る輩がいるという事件の下手人として、貞吉たちが疑われたことから、その本当の下手人を捕まえようと囮を仕立ていたところに、件の侍がひっかかってきたのだという話を聞く……“おとこだて”、
富くじの賑わいでごったがえす湯島天満宮の境内で、麻之助と清十郎は、駒吉という男と出会う。
占いを趣味にしているという彼は、三尸のお告げで今回の大当たりの札を手に入れたと話しているのを耳にする。
その言葉通り、六百両の当たりを手にした駒吉に、占ってもらおうと人々が殺到。
その後、三尸のお告げは富くじだけではないという噂が広がり……“鬼神のお告げ”、
突然の不幸に見舞われ、糸の切れた凧のような状態の麻之助。
清十郎と柳橋付近を歩いていたところで、橋から落ちかけた娘に遭遇。無謀にも助けに走った麻之助は娘と一緒に川に落ちるも、折りよく船が通りかかり、事なきを得る。
助けた娘は、名門の料亭をいとなむ北国屋正兵衛の一人娘・お千夜。古着屋の息子との縁談がまとまりかけていたのだが、暦を理由に破談にされたという。正兵衛に頼まれた麻之助たちは、その暦を売った者を調べることに……“こいわすれ”の6編収録。

シリーズ第三弾。
巻き込まれてる事件はさておき、いつもの面々は、ほのぼのムード?……と思っていたら、ええっ;;な展開にやや呆然;

<11/10/27,28>


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