黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『桜庭一樹短編集』桜庭一樹(文藝春秋)

2013-07-24 | 読了本(小説、エッセイ等)
出版社の雑誌の編集長をしていた<俺>。どうやら二ヶ月ほど前に亡くなったらしいが、その意識はまだここにある。
そんな俺の家に、愛人の艶子がやってきた。彼女との浮気を気づいていないと思っていた妻・千代子が、実は二人の仲を知っていたと知るが……“このたびはとんだことで”、
薔薇窓の美しい礼拝堂に、友人のジャンが飛び込んでいったのを目撃したアンブローズ。二人は共に、《青年のための読書クラブ》のメンバーだ。
その後、現れたサマセット曰く、反抗的な態度を先生に注意されたジャンは、「魂が汚れているのを礼拝堂のマリアさまが見ている」と、皆の前で辱められたという。そんなジャンに、礼拝堂のマリア像を持ち出したら先生が驚くだろうとサマセットがからかったらしい。
最前にジャンの姿を見ていたアンブローズはそれを実行にうつしたのではと、心配する。そんな中、礼拝堂の扉が開きシスターが出ていったのを目撃した面々だったが……“青年のための推理クラブ”、
大学で知り合った、独特のファッションに身を包んだモコと、猫というあだ名をつけられたぼく。
思いを寄せつつも、それを告げられぬまま。互いに気になる存在であり続けたが、付き合うことはなかった。スクリーンにうつる映画のように。十年近く経ったいま、彼女のことを振り返る……“モコ&猫”、
山の上ホテルのホテルマン・桜里。勤続三十年近いベテランである。
ある日、ホテルに美貌の青年が現れた。彼は新進の若い小説家・村岡清香。ホテルに飾られていた珍しい鉄砲薔薇に興味を示していた。曰く彼の故郷に咲く薔薇だという。
年輩の小説家・滋野は、彼に知人から聞いた血液を栄養源とする不思議な一族の伝承を語る。同じ森に彼らを狩らんとする人々の村もあり、長い攻防が続いているという。
桜里は三十年近く昔に聞いたことのある、当時の客室係が即興で作った歌を、清香が口ずさむのを聞き……“五月雨”、
三十二歳の誕生日の真夜中、よっぱらってアパートの前で寝ていた山田牡丹は、隣人の男・田沼慎に助けられる。
半年ほど前から実家を出て、一人暮らしをしている牡丹は、二人姉妹の姉で、しっかりものの成績優秀な子だった。父の希望に応え、望む道を歩んできたはずだったが……“冬の牡丹”、
家庭の事情で田舎にやってきた、赤いシャツをきた少年・太一は、そこでユキノと名乗る女の子に出逢い、地元に伝わる妖怪譚を話す。
床田のじいさんの向かいの勝田家で神隠しがあったという話を聞いた太一。神隠しの人が死んで見つかったという三本松という場所に行くというユキノと一緒に出かけることになったが……“赤い犬花”の6編。

タイトル通り、短編集。
いろいろなタイプの話が楽しめます♪

<13/7/23,24>


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