黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『聖餐城』皆川博子(光文社)

2007-05-20 | 読了本(小説、エッセイ等)
時は、カトリックとプロテスタントが戦乱を繰り広げる、ドイツ三十年戦争の最中……17世紀初頭。
“馬の胎から産まれた”少年・アディは、兵隊たちを相手に商売をする輜重隊として兵たちの後をついて歩いていた。略奪と殺戮を繰り返す傭兵たちにより村が荒らされる中、アディは納屋でひとりの少年、イシュア・コーヘンを見つける。イシュアは宮廷ユダヤ人の一族・コーヘン家の子息で、密書を携えプラハに住む兄シムション・コーヘンの元へ向かう途中だった。そんな彼は自分を護衛し、プラハに送り届けて欲しいという。しかしその最中で、イシュアは囚われの身となり、密書をアディに託す。
それをシムションに届けたアディは、騎兵になりたいという夢を叶えるべく、彼の口利きで、ローゼンブルクの貴族・ローゼンミュラー家のフロリアンに仕えることに。そんな彼に命を救われたアディは、やがて彼に心酔してゆく……。

傭兵としてのアディの成長物語であり、当時の傭兵たちのあり方とシムションやイシュアらユダヤ人商人たちのそれぞれの戦争との関わり方が緻密に描かれた、壮大な歴史小説でもあります。
……ただ、わたし自身にこの辺の時代の知識が不足しているのがアレですが;

<07/5/19,20>


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