『スイートスイーツショコラ』ゆうきりん（徳間書店）

28歳の藤和智代はケーキ店・洋甘で働くショコラティエール。
しかし洋甘では、店主の木村の方針により、“質より量”のケーキを売っており、智代が作りたいと願っているチョコレートさえも満足に作らせてもらえない。
フランスにも修行に行きたいし、他の店に移ることも考えているが、彼女にはそれが出来ない事情があった。
母と離婚後、男手ひとつで育ててくれた父が事故に遭い、補助の手が必要だったからだ。しかもそのリハビリが終わり、日常生活に概ね支障をきたさなくなってからも、父が彼女に頼りにしている為、そばを離れることが出来ない状況なのだった……

甘い職場で働く女の子の夢と、甘くない現実のお話。
ちょっとツッコミ方が足りないかなぁという感じがしなくもなかったり；
智代の話の間に、洋甘でアルバイトをしている女子高生・愛子と、販売員・優花の元夫のエピソードが入っているのですが、この厚さの本で他の話を入れるなら、智代とは対照的な考えを持つ店主が、店を今の方針にするに至った理由とかの方が良い気がします。

<07/12/4>