黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『ビブリア古書堂の事件手帖2 栞子さんと謎めく日常』三上延(アスキー・メディアワークス)

2012-07-26 | 読了本(小説、エッセイ等)
北鎌倉の老舗古本屋・ビブリア古書堂店主・篠川栞子と仲直りし、再びバイトとして働き始めた五浦大輔。
栞子は、自分の蔵書である<クラクラ日記>を均一本に出すという。何冊も同じ本を自分で買っているというのに、なぜか好きにはなれない作品だという彼女……“プロローグ 坂口三千代『クラクラ日記』(文藝春秋)・Ⅰ”、
ある日の昼下がり、桃源社刊国枝史郎の『完本蔦葛木曽筏』の在庫確認のFAXが届き、続いてそれを送った男からの電話を受けるが、ちゃんと対応できないままに切れてしまい落ち込む大輔。
そんな中、以前関わった少女・小菅奈緒から、優秀な中一の妹・結衣が書いたという読書感想文について、意見を求められる。
暴力的な内容の多い作品『機械仕掛けのオレンジ』について書かれており、栞子の卒業校でもある、カソリック系の女子校でお堅い学校で、それが問題にされたらしい。件の感想文を読んだ栞子は、彼女は本当の意味でこの本を読んでいないと告げる。その言葉の真意とは……“第一話 アントニイ・バージェス『時計じかけのオレンジ』(ハヤカワ文庫NV)”、
大輔のかつての恋人・高坂晶穂と久しぶりに再会。
先頃父が亡くなり、実家にある彼の蔵書の買取を依頼された。ビブリア古書堂に頼んだのは、父の指定らしい。
晶穂の異母姉曰く、その中には高価な本があるというのだが、内容は司馬遼太郎を中心とした時代小説や歴史小説が多めで、多少珍しい本も含まれているものの、さほどのものでもない。査定を終えたものの、何かひっかかるものを感じた栞子は……“第二話 福田定一『名言随筆 サラリーマン』(六月社)”、
母屋にかけられた、栞子そっくりな人物が描かれている一枚の絵を見た大輔。そのモデルは母・智恵子だと栞子の妹・文香から聞かされ、さらに栞子の前で母のことを口にしないようにと釘をさされる。
そんな中、店に本を売りにきた男は、足塚不二夫の本の存在を仄めかした後に、持って来た他の本を置き去りにしたまま姿を消した。
男が置いていった本の状態から、住まいを割り出した栞子は大輔と共にその家を訪ねる。その男・須崎は、十年前に失踪している栞子の母との過去のエピソードを語る……“第三話 足塚不二雄『UTOPIA 最後の世界大戦』(鶴書房)”、
栞子が、再びクラクラ日記を手にしているのを見た大輔。その理由を当てたら休日に出かけてほしいと……“エピローグ 坂口三千代『クラクラ日記』(文藝春秋)・Ⅱ”。 

シリーズ第2弾。再び店で働き出した大輔。元カノ登場がありつつも、ふたりの距離がちょっと縮まった感じ?
本に関して栞子同様(というかそれ以上)の能力を持っているらしいお母さんの話は、今後どう展開するのか、気になるところ。

<12/7/26>


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