黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『縛り首の丘』エッサ・デ・ケイロース(白水社)

2007-05-22 | 読了本(小説、エッセイ等)
王国内務省の官吏・テオドーロが、古色蒼然たる二折本を読んでいると、そこに浮かび上がってきたとある文章……それは、中国に住む裕福な大官(マンダリン)の遺産を、本の上にある呼び鈴を鳴らすだけで手に入れることができるという。魅惑の言葉……“この書を読む汝、死すべき人間よ、呼び鈴を鳴らしてみては如何かな?”との問いに、呼び鈴を鳴らしてしまったテオドーロ。
かくして、大官・ティー・チン・フーは亡くなり、彼の莫大な遺産を手にしたテオドーロの生活や取り巻く環境は一変。
ところが大官の幻影に悩まされるようになり……『大官(マンダリン)を殺せ』、
1474年。カスティリアの若き騎士ドン・ルイ・デ・カルデーナス卿は、聖母教会で一人の女性に恋をした。しかし彼女は大富豪にして貴族のドン・アロンソ・デ・ラーラ卿の奥方、リオノールの君。彼女を見つめ続けたドン・ルイだったが、彼女はそんな彼の存在には気づかない。やがて脈のないことを悟り、諦めたドン・ルイは身をひく。
ところが、そんな彼の存在に気づいていた、夫のラーラ殿。嫉妬深い彼は、ドン・ルイが諦めたことを信じられず、猜疑心に凝り固まり、ドン・ルイを罠にはめる計略を企てるが……『縛り首の丘』の2編。

mixiのコミュのリレー企画に便乗して読んでみました。シニカルな感じが、おもしろいですね~。
アマゾン等の内容紹介には“罠と知りつつ愛する女を救いに馬を駆る若き貴族ドン・ルイ”と書かれているのですが、実際は罠だと知っていた訳でも、救いに行ったのでもない(夫はいないから遊びにいらして♪的な偽の誘いに騙されただけ/笑)あたり、紹介文を書いた人は一体何を考えていたのかちょっと気になります(笑)。

<07/5/22>


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