黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『パラダイス・ロスト』柳広司(角川書店)

2012-04-15 | 読了本(小説、エッセイ等)
ナチス・ドイツ占領下のフランス。ドイツ兵に暴言を吐き、縛られたフランス人老婆を助けて殴られた日本人青年。
どうやら、島野亮祐という名であるらしいが、殴られた衝撃から記憶喪失となってしまう。そんな彼を助け、匿ったフランス人の青年たち……アラン・レルニエ、ジャン・ヴィクトール、マリー・トーレスの三人。ドイツ兵たちは誰かを探している様子で街を徘徊していて……“誤算”、
東洋の真珠、神秘の楽園と称される英領シンガポールにあるヨーロッパ式高級ホテル、ラッフルズ・ホテルで殺人事件が起きた。
亡くなったのはジョセフ・ブラントという男。領事官付武官である米海軍士官マイケル・キャンベルは、その犯人として自首した、自分の美しき混血の婚約者ジュリア・オルセンの無実を証明するべく奔走する。
殺害されブラントは、亡くなる前に、新任の英国陸軍大尉リチャード・パーカーとある内容について口論していたという証言があり……“失楽園”、
英国タイムズ紙極東特派員アーロン・プライスは、日本において、スパイ養成機関の話を耳にする。その組織<D機関>をたった一人で作り上げたという、異端のスパイたちを統べる元締めだという謎の男・結城中佐に興味を覚え、その過去を追うことに。
ふとしたことがきっかけで“ユーキ”ということに着目し…漢字の読みが同じ、有崎直哉子爵という貴族に育てられた少年・晃の存在を知ったプライス。晃が、後の結城中佐ではないかと、有崎家に仕えていた里村老人を訪ね、話を訊くが……“追跡”、
サンフランシスコを出航し、ハワイ経由で日本を目指していた、豪華客船・朱鷺丸。
その乗客で、クロスワードパズルを介して知り合った、日本人青年・内海脩とアメリカ人ジェフリー・モーガン。しかしモーガンは、実はアメリカ人ではなく英国スパイ。“教授”というコードネームを持つ暗号のスペシャリスト、ルイス・マクラウドだった。だが彼の正体を見抜き、ハワイで船を降りるようにと内海が告げた直後、何者かに毒殺されてしまう。
一方、朱鷺丸は英国軍艦から海上で停船を要求され、乗せたドイツ人を引き渡せと迫られていた……“暗号名ケルベロス(前・後篇)”を収録。

第二次大戦前。異端のスパイ組織<D機関>の活躍(暗躍?)を描く、シリーズ第3作。
いつもながら出番が少なくても、存在感ありありな結城中佐の黒幕っぷりが素敵(笑)。

<12/4/14,15>


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