黒猫書房書庫

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『初恋ソムリエ』初野晴(角川書店)

2009-10-30 | 読了本(小説、エッセイ等)
県立清水南高校に通う穂村千夏(チカ)と上条春太(ハルタ)が所属する弱小吹奏楽部は、顧問の草壁信二郎のもと、相変わらず<普門館>のコンクールを目指して奮闘中。
そして迎えた春休み。どうやら音楽室に何者かが侵入しているらしい、と気づいたチカたち。
時を同じくして、屋上で練習しているハルタたちのアンサンブルに、ある楽器が加わるようになったという。どうやら音楽室にあった壊れたクラリネットを持ち出し、吹いていたのは芹澤直子…地元の名士の娘で、クラリネットの腕前も相当。プロ志望で、筋金入りのアンチ吹奏楽部だという彼女が何故……“スプリングラフィ”、
オーボエの成島、サックスのマレン、ホルンのハルタを支える、打楽器とトランペットの層の薄さが露呈。
他のメンバーも、基礎練習枠を増やして欲しいと願い出るが、中間、期末テストである程度の成績順位を修めないと、練習時間が短縮するという条件を草壁から提示され、勉強に勤しむことになったチカ。
そんな中で、あるラジオ番組を知り、熱中。それはカイユという人物がパーソナリティをつとめる<FMはごろも>だった。
一方、日野原会長が、吹奏楽部の予算の獲得に関し、地学研究会の部長・麻生美里を捕まえてこいという条件を出して……“周波数は77.4MHz”、
草壁が過労で倒れて入院した。ただでさえ忙しいところへ、藤が咲高校の吹奏楽部を手伝いに行ったことが追い打ちをかけたらしい。藤が咲の顧問・堺が、自宅謹慎を命じられており、練習に参加できないのを見かねて手を貸したという。
境は、自分が受け持つクラスでひと月の間に三回も席替えを指示しており、それが謹慎の原因。
彼の真意を探るべく、教育実習生の大河原の力を借りて、潜入することになったチカたちだったが……“アスモデウスの視線”、
芹澤の伯母が、朝霧亨という3年生と面談しているという。
現在はオーストラリアで暮らしているが、2年後に帰国し、芹澤と同居予定。それに向けてひと月前から帰国している彼女は、彼の親が営む朝霧興信所に人捜しを依頼。それは初恋の相手で、相手は音信不通だったという結果。
そこへ朝霧が、初恋の真贋を確かめる初恋ソムリエと称して、接触してきたという。
その胡散臭さから心配する芹澤だったが、そんな彼女たちに、伯母はある話を語る。それは、かつて彼女が森で仲間…ラビストーオ、ペラントーオ、モルテ。そして一緒におにぎりをつくったベンジャント…と暮らしていた時のことだった……“初恋ソムリエ”の4編収録の連作短編集。

『退出ゲーム』の続編。引き続き青春ミステリではあるのですが、今回は妙にどれも背景が重たいのと、釈然としない部分がちょっとあって、もやもや;
“初恋~”は、背景となっているのはある事件ですが、明言されていないのでわからない人にはわからないかも。

<09/10/30>


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