黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『さくらゆき 桜井京介returns』篠田真由美(講談社)

2013-10-04 | 読了本(小説、エッセイ等)
二〇一一年十二月二十四日。クリスマスパーティの最中に、日本画の大家・野々村白仙の才色兼備の養女、野々村薔子がシャンパングラスで乾杯の直後、中毒死。
それから四ヶ月。同様に白仙の養子であった姉・倭文重と暮らす高校生の義弟の郁哉は心因性の不調に悩まされていたことから、スクールカウンセラーの薬師寺香澄と話すことに。彼から紹介された桜井京介という人物に相談する……“黄金の薔薇を手にして”、
六月初め、京都の古書肆・亜刺比亜書林の雇われ店長・中園英男が、金沢で川に落ちて亡くなって以降、店は休業している。
そんな中、店のオーナー・綴喜春太郎に集められた<水曜読書倶楽部>……亜刺比亜書林に集う愛書家たちは、誰が中園を殺したのかと彼から訊ねられる。中園を養子に迎えるはずだった綴喜は、その答えを聞かせてくれた人物に秘蔵の「エジプト誌」を譲るという。しかしその後、不可解な死体となって発見された綴喜。
水曜読書倶楽部のメンバーであった多田和昭は、その容疑者として疑われることにまり、彼の知り合いである郁哉は、事件について京介に相談をする……“それは魔法の船”、
二〇一二年十月五日。東京都下にある私立の名門高・松が丘学園の文化祭に、いじめを告発、さらに脅迫めいた内容の手紙が届いた。スクールカウンセラーの薬師寺は毒殺の可能性も指摘する。
そんな中、文化祭の準備に追われていた家庭科部の久保田が、きのこ鍋を食べて運ばれた。ドクツルタケというきのこの絵を描いていた生徒・庄司ゆきが疑われ……“白くてちっちゃな死の天使”、
ある日、私立W大学文学部教授神谷宗の家にやってきた少女・庄司ゆき。五年以上前からひとつ屋根に住んでいる薬師寺香澄が関わった少女である。名前を呼ばれることを極端に嫌う彼女の地雷をうっかり踏んでしまった神谷。
それからひと月ばかり後。誰かにつけられているらしいという彼女とようやく話す機会ができ同じ名を持つ友人の話をした。ゆきのコンプレックスの理由はそれが、愛されていた亡き兄の名・ゆうきにちなんだものであり、祖母に育てられた自分は逆に両親に愛されていなかったと感じていたからだった……“さくらゆき”の4編収録。

桜井京介シリーズその後のお話。彼が事件に巻き込まれているというよりも、だいぶ客観的なスタンス…というか、違う目(少年少女たち)を通しての書き方になっているので、謎な人物ですね(笑)。
アリスたちとは対照的に年を取っているこの世界の住人たちなので、京介はすでに四十路。でも相応な年の取り方が良い感じです。

<13/10/3,4>