『あの川のほとりで 下』ジョン・アーヴィング（新潮社）

1983年、ヴァーモント州ウィンダム郡。有名作家となったダニー（ダニエル）は自宅周辺をランニングしながら、あれこれ思いをめぐらせる……不幸な事故により失われてしまった、最愛の息子・ジョーとの思い出。
父・ドミニクは東洋人たちが働くマオの店で働いていたが、その後、たまたまドミニクの店を訪れたツイステッド・リバーの昔馴染みの老婆たち・ドットとメイに遭遇してしまったことから、その口からカールに知れることをおそれ、ふたりは再び住み慣れたその地を離れることに。
その後、新たな地・カナダのトロントへと移り住むが、執拗に彼らを追うカールはケッチャムの後をつけ、とうとう彼らの元へと辿りついてしまう……

下巻の方は、1983年から始まり、合間に合間に回想が入る構成。
その後も幾多の出逢いと別れを繰り返し、いろいろあった父子とその周辺の人々が描かれています。中でもケッチャムの存在感が絶大。そして、ラストにダニー（と読者）に希望を与える<レディー・スカイ>が印象的。

<12/2/25～27>