黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『ほうらいの海翡翠 西原無量のレリック・ファイル』桑原水菜(角川書店)

2012-02-01 | 読了本(小説、エッセイ等)
発掘人員派遣会社の亀石発掘派遣事務所で事務員として働く、永倉萌絵。前の会社をリストラされ、焼け酒を飲んでいたところを、所長・亀石弘毅に拾われ、入社して半年。
そんなある日、一人の青年が事務所へやってきた。彼は、若いながら業界でも『宝物発掘師』との異名を取る天才遺跡発掘人・西原無量。そんな彼の能力を見込んで指名があり、海外の仕事から、久々に戻ってきたのだった。
現場は、奈良県桜井市の上秦古墳。彼のサポートの為、一緒に出かけることになった萌絵。無量を呼んだのは神華大考古学研究会の教授・三村武昭で、発掘調査中、その期待に応え、緑色琥珀を発掘した無量。それを見た三村は、“蓬莱の海翡翠だ”と興奮気味に告げる。そしてそこで文化庁職員となっていた、かつての幼馴染・相良忍に再会。忍は、火事により家族を亡くし、施設で育ったという。
萌絵も加え旧交を温めた後、亀石に頼まれ、三村の元を訪ねたふたりは、そこで彼が殺害されているのを発見してしまう。その場から走り去った男の姿を見た萌絵は、それが相良に似ていると感じる。
その後、亀石宛てに三村の遺品があると連絡を受け、出かけた亀石と萌絵。
渡されたのは、“伝 正倉院、龍禅寺雅信 蔵”と書かれた桐の箱と、古いアルバム。箱の中には発見された緑色翡翠に似た石の勾玉が入っており、アルバムには若い頃の三村と一緒に写っている龍禅寺らしき人物がおり、その写真を撮影したのがサガラだと記されていた。
事実関係を確かめるべく、龍禅寺家に赴いたが雅信は既に故人で、彼の娘の婿養子である為夫から話を聞くが、その後亀石は交通事故に遭い、病院に運ばれる。
そこにやってきた亀石の古い友人・鶴谷暁美から、亡き龍禅寺は有名な総合商社の創業者一族で、政財界に大きな影響力を持つ人物であったと知らされて……

天才的な遺跡発掘人である青年・無量が発掘した緑色琥珀に絡み、事件が発生し、その謎を追うことに…という古代史ミステリ。
桑原さんの作品を読むのはかなり久しぶりですが(ミラージュを挫折して以来…)、人間造形とかはこれまでの作品と割と共通したものがあるかも(笑)。

<12/1/31,2/1>