黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

リングリング@ベリーベリー

2011-10-30 | スイーツ
 焼きドーナツ。
 いちじく、抹茶、味噌の3種。
 いちじくは、中にいちじく(ドライ?)が入っていて、上にチョコがかかっています。味噌はほんのり塩味。

 ベリーベリー:新潟(新潟) ※焼菓子フェア@utika三条店で購入。

『黒猫の遊歩あるいは美学講義』森晶麿(早川書房)

2011-10-30 | 読了本(小説、エッセイ等)
二十四歳にして教授職に就いた天才で、その黒ずくめな格好から“黒猫”と呼ばれる青年。
彼と学生時代からの腐れ縁で、今年黒猫がパリから帰国して以来、「教授と付き人」という関係にある、同い年で博士課程一年生で、エドガー・アラン・ポオを研究する女学生である語り手。
研究者である母・ゆふきがくれたチラシに書かれた講演会…扇宏一という建築美学の研究者のオスマンについての講演を聞きに一緒に出かけるが、気もそぞろなところを黒猫に見抜かれる。
母の所有していた、でたらめな…実在の地名や場所名が記されてるのに位置が正くない…地図の意味。そしてその理由について相談するが……“第一話 月まで”、
三年前。大学四年の時のこと。
同じ唐草ゼミの五人の学生が集まっているところに、ミナモが関俣というひとりの学生を連れてきた。彼は軽井沢に別荘を持っており、そこで皆で一泊二日の軽井沢旅行をしないかという誘いだった。
関俣の父は、『壁』の概念について著していた、関俣高志という研究者であったが、十年以上前に自殺を遂げていたことで知られていた。黒猫曰く、関俣の書いた物は、コピーか模倣かは微妙だが、父親によく似ており、しかもその模倣を切り替える兆しが見られるという。
その後、関俣は皆と出かけたその別荘で自殺。何故、客を招待した晩に自殺したのか……“第二話 壁と模倣”、
九月。初めての学会発表を控えて行き詰っていたところ、黒猫から、M川に住む知り合いの調香師の元に行かないかと誘われ、出かけることに。小学生時代、ほのかな思いを寄せていた美少年・柚木君が転校したのがM川小学校だったと連想する。
いろはという女性が営む、いろは香水工房という小さな工房で、『紅』という作品にまつわる話を聞くふたりだったが……“第三話 水のレトリック”、
学会での発表に失敗したとへこむが、黒猫は意外にも誉めてくれた。一緒に飲んでいたが飲み過ぎ、黒猫の部屋に泊まることに。
そんな翌日、黒猫は気がかりなことがあり、愛知へ向かうという。学会に来るはずだった、マラルメ研究の井楠女史が姿を見せず、自宅に連絡しても留守。おまけに、五年前に業界から姿を消していた、世阿弥の美学の研究者だった男が、発表会にいたのだという…その男・前野世舟は、現在、実家である愛知のK寺の住職をしていた。
黒猫とともに一緒に愛知へ。井楠女史の母に訊くと、彼女は一昨日の夜から姿が見えず、「秘すれば花」と記された手紙を受け取ってから様子がおかしかったらしい。件の寺も訪ねたが、彼女らしき姿を見い出すことができなかったというが……“第四話 秘すれば花”、
織条富秋という、謎多き詩人のデビュー五周年パーティーに出かけたふたり。込み合う会場から抜け出しカフェで一服、黒猫が電話で席を外していたところ、「頭蓋骨でも見つけないと…」という不可解な言葉を聞いた。黒猫曰く、その言葉を発した男は、自分たちが出席していたパーティーにもいた人物で、映画『クラウン・ベッチ』の柄角監督。織条と同一人物だという噂もあるが、双方を知る冷花によると、彼らは別人であるらしい。
翌日、N湖で柄角の溺死体が発見され……“第五話 頭蓋骨のなかで”、
自分のポオ研究に関して、意見を聞きたいと、千駄木に住むギリシア音楽研究の大家である郷田紘史の元を訪ねた。
その折、書庫で不思議な音楽を聴いた直後、郷田の様子に変化が。どうやら郷田と浅からぬ関係にある、H大で中世フランス文学を研究する八千草尚子によるものらしいが、その意図は?
翌週、郷田が亡くなり……“第六話 月と王様”を収録。

第一回アガサ・クリスティー賞受賞作。
黒猫と呼ばれる若き大学教授と、現在は、彼の「付き人」的関係の同じ年の博士課程一年の女の子の周囲で起こる謎について描いたミステリ。ポオをはじめとして他の分野の薀蓄も満載で、ちょっと衒学的かも。
雰囲気的には好み♪(あだ名が『黒猫』という辺り/笑)。
……ただ、語り手の女の子は、名前も出てこないし、わかりやすく<わたし>とかも言わないので、微妙にあらすじに起こしにくいのが、若干めんどくさい(笑)。

<11/10/29,30>