黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

下田ぱーぷるロール@白根屋

2011-10-12 | スイーツ
 ロール生地に、クリームと三条下田産の紫いもが巻かれています。
 ちょっと洋酒の香りが効いているせいか、さつまいもの風味は弱め?
 紫いもの色がすごいので、若干見た目に違和感が…。
 クリームに完全に混ぜてしまうか、スポンジを紫にした方が色的には綺麗かも。

 白根屋:新潟(燕) ※三条マルシェ限定。

『吉原純情ありんす国』長島槇子(早川書房)

2011-10-12 | 読了本(小説、エッセイ等)
新吉原の江戸町、格式高い大籬・壺月楼の昼三呼び出し…最高位の遊女…の月都花魁付きの振袖新造(花魁見習)・おぼろは、かつて花魁だった母が大名に身請けされる際に置いていった子どもで、生粋の廓育ち。めっぽう将棋が強くて玉の肌。利発な十五歳の美少女で、将来花魁となることを嘱望されているが、“隠密ごっこ”をしたがる困った癖もある。
そんな壺月楼の女楼主・お政の一人息子で、おぼろとは幼馴染の徳治郎が、預けられていた祖父母の元から六年ぶりに戻り、再会する。
ある日、楼主たちの集まる寄合に、母の代理で出た徳治郎。そこでの話題は、一昨日(脱走)したという仲見世・千歳屋の滝川花魁付きの振袖新造の・初音のこと。一緒に逃げた相手は、岡惚れしていた暦売りではないかというのだが、いくら探しても彼らの行方は掴めない。
初音がいなくなった状況から、していないと思えてならいないおぼろ。
そんな中、佃島で切り落とされた女の足が見つかった。それは初音の足ではないかと推理したおぼろは、徳治郎に話を訊いてきてくれるように頼むが……“第一話 ”、
菖蒲小路の二朱見世・真砂屋で、おさとという娼妓と馴染客の源蔵の死体が見つかった。無理心中めいた様子だったが、弔いを出す面倒を省く為、店では心中として片付けた。
しかし、源蔵と一緒になるつもりはなく、年季が明けたら里に帰るつもりだった彼女が、心中などするはずがないという同輩たち。ましてや同じ日に、他に三人の客をかけもちしていたらしい。
話を聞き、心中でもなくおさとを殺したのは源蔵でもないと考えたおぼろ。
源蔵について探り始めた徳治郎は、孝行息子に見えた源蔵に裏の顔があることを知るが……“第二話 真砂屋心中”、
桜の季節。月都花魁の馴染客で、呉服問屋の若旦那・直太郎に、松屋町の縮緬問屋の娘との縁談が持ち上がっているという。月都に執心の若旦那は、彼女を身請けし妻にと願っていたが、親に反対されており、言う事をきかなければ勘当で、親の決めた相手と祝言したら、店を継がせるという。
それからひと月後。月都が、蝦夷屋久右衛門という北前船の船主に身請けされる話がまとまった。掃除や針を習うため、箕輪の寮に移った花魁。
そんな中、壺月楼と肩を並べる大籬・山本楼の呼び出し、松風花魁が、月都がいた同じ寮で殺害された。相模の庄屋・秦野八十兵衛に身請けされることが決まっていた彼女の腕には、<八十一人切>という入れ墨があったが、それがずたずたに斬られていたという。
かつて彼女の色客だったが、入れ込み過ぎて身代を潰したという元油問屋の半蔵が怪しいと思われたが……“第三話 花の嵐”を収録。

江戸吉原を舞台にしたミステリですが、隠密ごっこ(今風にいうなら探偵ごっこ?)が好きな花魁見習いの少女と、その幼馴染で楼主の息子だけれど、外で育ったので彼女が花魁となることに複雑な思いを抱く少年の関わりも描いています(そんな彼から見た、吉原というおかしな社会の姿も)。
思ったほど、おぼろが話に絡まないのがちょっと微妙な感じでしたが。

<11/10/12>