五龍州の兎県で唯一の花街、小四馬路の妓楼・五郎館の美しい妓女・碧耀は、千里眼を持っている。
ある時、都に住む貴人の遣いが現われ、彼女を落籍、目的地もよくわからないまま生まれて初めて五龍州を離れることになった。
牛車に乗り運ばれる途中、山賊に襲われた。危機に陥るが、いざという時に唱えるようにと親友のユギから教えられていた呪文を口にすると、符力の左慈が現われ、事なきを得る。だが供の者たちは全滅してしまったことから、行き先さえわからぬ状態に。
彼に、彼女を代わりに目的地へ連れて行ってくれる人員を連れてきてくれるように、依頼した碧耀。
その間、近くのラオ村で世話になることになったのだが、そこは極東勢力が鉱山を拓き、進出しているその土地だった。
碧耀は、ひと目で彼女を妓女だと見抜いた老女・老大嬢の家に世話になることになったのだが、彼女には床に伏している夫・白老爺がいた。やがて纏足の靴を見つけ、老大嬢が、昔、碧耀同様妓女だったことを知る。
さらに、その地で思いがけず、ユギが思いを寄せる、蠱憑きの牧師イルラックに再会し……
シリーズ第2弾。今回はユギではなく、碧耀視点のお話。
自分で何を決めるでもなく、諦観のまま流されて生きてきた彼女の、人としての成長が、ちょっと微笑ましいです。
でもXXを口にいれちゃうのは;;
牛さんが素敵(笑)。
<11/09/26,27>