Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

Stage6の終焉

2008-02-26 23:11:25 | Weblog

 インターネット上でやりとりされるデータには、その種類に応じて、いわゆる「スタンダード」な規格と言うものが存在します。

 例えば、簡易な文書を配布するときの「テキスト(.txt)」形式。見栄えのする文書を配布するときの「PDF」形式。音楽を扱うならば「mp3」が代表的です。しかしながら、動画の世界となると、まだいくつかの規格が林立している状態です。

 その林立する中で、ある程度の地位を気づいている規格に「DivX」と言うものがあります。元々Mpeg4の独自拡張版として登場したのですが、「二時間の映画がそれなりの画質でCD-Rに保存出来る」ような、高画質で圧縮率に優れた規格でしたので、一部ユーザーの間で爆発的に普及し、現在ではPS3を始めとする対応機器も増えており、一般にも認知されはじめて来ています。

 一般に認知され始めている、と言えば動画配信サービス。YouTubeの起こした社会現象を始め、ニコニコ動画やZoomaなど、様々なサービスがしのぎを削る、ネットビジネスの一角に成長してきました。

 DivXという動画フォーマットを提供する会社としては、動画配信サービスという自社技術を広める為の広告塔を放っておく訳にはいかなかったのでしょう。1080pのフルハイビジョンにも対応した高画質をウリにして、DivXフォーマット専門の動画共有サイトである「Stage6」を立ち上げ、運営してきたのです。

 ただ、動画共有サイトの現実として・・・実は全然儲からないのです。その結果、Stage6は撤退を余儀なくされました。

DivXの動画共有サイト「Stage6」が2月28日で閉鎖 INTERNET Watch

 Stage6は2006年8月、高画質動画を共有するための実験サイトとしてオープンしたが、当初の期待を遙かに超えてすぐさま人気を集めるようになった。その結果、インターネットで高画質動画を提供できることを証明し、才能ある動画クリエイターも輩出するなど一定の成功を収めたが、運営にかかるコストやリソースがもはやDivXでは事業を継続できないほど莫大になってしまったという。

 あれだけ人気のYouTubeも、新たな広告の手段を模索していますし、ニコニコも収益を上げようと必死になっています。そんな状況ですから、高画質をウリにしている=高負荷のStage6を運営しくのは並大抵のことではなかったのでしょう。

 出来ればちょっとでも高画質で見たい。そういうちょっとした欲求を過剰にかなえてくれたStage6ですが、結局のところ、その高画質に潰されてしまったというのは皮肉なものですね。



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