かつて、「100ドルで買えるPCを作って、途上国の子供たちに与える」という崇高な夢を胸に、大きな注目と期待を受けてスタートしたOLPCプロジェクト。しかし、そのプロジェクトは決して順風満帆とは行かず、漸くXO-1というラップトップを世に出してからは、そこからなかなか前には進めませんでした。
そして今年の5月、世に出ることはなかったXO-2という二画面ノートの次のコンセプト、XO-3タブレットのイメージ画像が公開されました。薄く、画面も大きく、デザインも素敵なそれは、「75ドル」というにわかには信じられないような低価格を目標に、2010年の12月にプロトタイプを発表する事になっていました。
あれから5ヶ月。沈黙の後、案の定発表は伸びましたが、どうやらコンセプト機は本当にお披露目されるようです。
OLPC XO-3 タブレットは2月発表に延期。ノート型としばらく併売 engadget
タブレット端末として生まれかわるOLPCの次世代モデル XO-3 について、おなじみニコラス・ネグロポンテ会長が進捗状況を説明しています。まずは発表時期について。当初は年内、最近では来年早々のCESでお披露目かと言われていましたが、結局は2月まで先送りになることが明らかになりました。
お披露目と言っても、その見た目は当初のコンセプトイメージからは結構変わるもよう。さすがに厚さ数ミリのタブレットは無理がありますよ。
また、価格についても言及は無いとのことで、これまでもXO-1がちっとも100ドルにならなかったことなどを考えると、「75ドル」という理想に対しての現実を突きつけられるような価格設定がされそうな気がします。
100ドルという戦略的な目標価格に加え、発電機の搭載や直射日光下でも見やすい2モードディスプレイなど、話題に事書かなかったXO-1。その遺伝子を次ぐXO-3は、例えコンセプトイメージのとおりでなく、価格も75ドルでは無かったとしても、きっと注目に値するようなタブレットマシンになってくれるでしょう。
かつて、XO-1がネットブックブームの礎を築いたように、XO-3にはiPadとは違う「タブレットとは何か」を見せつけてくれるよう期待したいです。