Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

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はやぶさは、イトカワからサンプルを持ち帰ってくれていた

2010-11-16 22:20:03 | Science

平成22年6月13日、小惑星探査機「はやぶさ」が世界ではじめて小惑星から地球に戻ってきました。7年もの旅路の果てに送り届けられたカプセルを、オーストラリアのウーメラ砂漠で回収してから5ヶ月、ついにその中から回収された微粒子の正体が明らかになりました。

はやぶさカプセル内の微粒子の起源の判明について JAXAプレスリリース

サンプルキャッチャーA室から特殊形状のヘラで採集された微粒子をSEM(走査型電子顕微鏡)にて観察および分析の上、1,500個程度の微粒子を岩石質と同定いたしました。更に、その分析結果を検討したところ、そのほぼ全てが地球外物質であり、小惑星イトカワ由来であると判断するに至りました。

「ほぼ全てが地球外物質」・・・つまり、はやぶさは当初の目的を達成し、世界中の科学者へ、貴重な「原始太陽系のサンプル」をプレゼントしてくれたのです。

最初に着陸に失敗したとき、粉じんを巻き上げる弾丸が発射されていなかったのを知ったとき、「サンプル回収は失敗しているかも」と思っていましたが、地球に近づくにつれて、「なんとか少しでも舞い込んでいてくれれば」と祈っていました。それが現実になったと言うことで、はじめてこのニュースを確認したときには、思わず声を上げていました。

このサンプルから分かる太陽系の起源についても非常に興味深いですが、何よりうれしいのは、はやぶさ2への希望がつながったと言う事。これだけの成果を上げたなら、事業継続、予算付けにも大きな影響がある事でしょうからね。

とりあえずは、持ち帰ってくれたサンプルから、太陽系の形成についてどんな新発見があるのか。様々な研究機関へ旅立っていくサンプルの今後が非常に楽しみです。



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