Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

生命の起源は宇宙から?

2010-04-07 23:59:59 | Science

 地球が生まれて45億年、そして生命が地球上に誕生して38億年。三葉虫が生まれたのが5億年ほど前で、恐竜が絶滅したのが6500万年前・・・本当に長い時間をかけて現在の姿になった生命ですが、”はじめての生命”がどうやって生まれたのかは、未だに多くの謎に包まれています。それこそ、材料となるアミノ酸の出所すら、はっきりと分かっているわけではないのです。

 これまでの最も広く知られている案に、原始地球の海に雷が落ちることでアミノ酸が生まれるというものがあります。これは、あくまで地上でアミノ酸が生まれたというスタンスの説ですが、今回はもう一つの方の説が有望そうだという話です。

国立天文台ら、生命の起源が宇宙から飛来したことを裏付ける根拠を観測 マイコミジャーナル

国立天文台は4月6日、地球の生命の源となるアミノ酸が隕石とともに宇宙から地球に持ち込まれた可能性を支持する観測結果を発表した。同発表は、これまで多くの科学者が主張してきた「地球上の生命は宇宙から飛来した隕石に含まれるアミノ酸に由来する」という説を裏付けるものと言える。

 アミノ酸には”左型”と”右側”があります。アミノ酸を合成したときに、二つの型の発生確率は半々なのですが、何故か地球の生命はほぼ左型のみを使っています。この不思議をうまく説明できるのが、地球での合成説ではなく、隕石による供給説だというのです。

 なんでも、大質量星の中には円偏光という、アミノ酸の左右どちらかの型のみを壊す特殊な光を発するものがあり、かつての地球とその周辺の小惑星は、その中でも右型を壊す円偏光をあびたと考えられるとのこと。この説の裏付けとして、大質量星の周辺の広い範囲に円偏光が放出している事が、今回の観測で分かったらしいです。

 ちなみに、アミノ酸は隕石表面でも合成されることが理論的にも確立されています。別に宇宙人が持ち込んだわけではないですよ?

 時に、地球のエネルギーサイクルとか生態系、果ては経済活動に至るまで、すべて「地球の中で閉じている活動」だと考えがちになります。しかし、太陽からの光であるとか今回のアミノ酸でもそうですが、結構な要素で外的要因を受けて今があるわけです。今後も、空から降ってくる何かに思わぬ影響を受けることがあるかもしれませんね。
 ・・・それにしても、小学生だった当時に最も支持されていた、雷によるアミノ酸生成説が覆されようとしている訳です。最先端科学の分野の進化を肌で感じると共に、なんとなーく寂しいですねえ。



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