Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

ネット社会にも絶対なんて無い

2005-07-16 00:34:02 | Weblog
 意味ある言葉を紡いで、対象を使役し、思い通りの現状を具現化させる。それはまさに現代版の魔法使いと言ってもいいでしょう。
 コードを書き、PCやネットワークを制御して、思い通りのソフトウェアを構築する。そうプログラマーの事です。

 しかしながら、おとぎ話やPRG、小説の世界でもそうであるように、魔法は必ずしも人を幸せにはしません。どんなに便利な力でも結局は使う人次第です。
 そして、それはプログラマーにも全く同じ事が言えるようです。

 「安全なブラウザ」なんてない C NET JAPAN

 すべてのブラウザは同じ脅威に直面しており、いくつかのブラウザは設計も似通っている。

 著者はMozzilaとSafariを例に挙げて説明していますが、結局は脅威を受けるのが早いか遅いかだけの話という事でしょう。

 攻撃者は常にターゲットを探している。

 と言うことらしいですから。
 それは愉快犯であったり、金儲けのためであったり、陰湿な恨みからかも知れません。別に純粋な知的好奇心であってもいいんです。ネットにウイルスを撒くという行為からしてみたら、全く同じ事なのですから。
 末端のユーザーからしてみれば、彼らの行為は迷惑きわまりなく、また、日々おびえて対策を施さねばならない脅威そのものでもあります。

 そう、ネット社会は私たちが思っているほど安全ではなく、そして、そこに属する人たちもまた、皆善良というわけではないのです。

 それでも、ネットワークを使いたい。ソフトウェアを使い続けなければいけない。わざわざ高いお金をかけて、ネット上の脅威から自分の、自社のPCを守るために、注意深く対策を施さねばならない。
 多少の不便やリスクがあっても、それを承知で使うという選択肢を選ぶ。これは、PCやインターネットという道具が、まさに社会基盤のひとつとして認められたと言うことに他ならないでしょう。

 社会基盤である以上は、現実世界と同じようにリスク管理をしなくてはいけないのは当然です。そして、現実の社会以上に激しく移り変わるネット社会の現状に対応して行かなくてはなりません。つまり一昔前の常識・・・この場合は、「IEでなければ安全」というリスク管理方法は「神話」になってしまったと言うことだと思います。

 私は、コンピューターウイルスやスパイウェア、ネット詐欺などの記事を見ると、なんだかイヤーな気分になります。
 現実世界の脅威は、もちろん人間が引き起こすこともあります。ですが、人間以上の力、天候とか地震とかが爪痕を残すことがたくさんあるわけです。そのために備える事だって色々あるのですからね。しかし、コンピュータの世界での脅威は、全て人間が作ったものです。他人の為にリスク管理をし、他人のために大きな被害を被る・・・例外なく人間のせいで。そう考えると、なんか嫌じゃないですか?

 魔法は必ずしも、人を幸せにするとは限らない・・・それは使う側も全て含めて。 

最新の画像もっと見る