Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

一太郎地獄変

2005-02-04 00:35:38 | Weblog
「一太郎」判決の衝撃ITmedia

ジャストシステム「一太郎」「花子」を製造販売停止とした判決に波紋が広がっている。経緯や争点、ソフトウェア特許問題などをまとめた。

 昨日発表された「Justsystem敗訴」の一報。ヘルプ機能を巡ったこの裁判によって、一太郎、花子に販売差し止めの命令が下されましたが、Justsystem側は控訴を表明。当面は販売は継続できるようです。

 このような事件で記憶に新しいものと言えば、BT社のハイパーリンク訴訟。ノベル、SCOのLinux訴訟などがありますが、この二つは事実上失敗に終わっています。

 要するに「一般的に広がっているものに対して、後付で”特許の侵害”であると主張する」ことは、ユーザーを始めとする業界全体に受け入れられにくいのです。事実、今回の判決でもすでにユーザーグループを始め、開発者側やアナリストからも批判が出てきています。
 特に「一太郎2005」の発売を2/10に控えているという、時期的に最悪のタイミングで判決が出ているため、松下側に対しての反応もより冷ややかです。

 私の主観から言わせてもらえば、こういう「実は、貴社の製品は自社の特許を侵害しています」的なやり方は大嫌いです。あまりに姑息。これがエンコードや圧縮のアルゴリズムに関わることならまだ分かりますが、こと”基本的なソフトウェアの表現や操作性”に関しては、あまり感心できないやり方です。

 感情論を廃した意見としては、確かに休眠特許が小銭になってくれれば会社としては嬉しいでしょう。反面、企業イメージの下落というデメリットも大きいでしょう。特に、こんな風に判決が報道されてしまった場合は。

 「ソフト特許案は欺瞞的かつ危険で民主主義に反する」
 これはリーナス・トーバルズ氏の言葉ですが、私もこれには賛成です。ソフトウェアを道具としてではなく、表現の一環として考えた場合、文章や芸術作品と同列にとらえる事もできるわけです。事実、ソフトウェアは著作権によってすでに保護されています。
 では、同じ著作物である文学や芸術作品で特許はとれないでしょう?「この言い回しは私が特許を取った」「この色遣いのこの表現は私の特許だ」「この楽器の組み合わせで作る和音は私の特許だ」・・・なんて誰も言わないですよ。

 すでに株価が下落しているJustsystem。果たして最終的な結論はどう出るのか。

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