Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

ネットワークが途絶えたら

2004-09-19 23:08:54 | PC
今月も、月刊ASCIIが発売された。
先月の初心者との溝で紹介したArthur C.Kyle氏のコラムは、今月号も考えさせられるものだった。
 彼のコラムを要約するとこうだ。
「企業において、ネットワークサービスのダウンは莫大なビジネスチャンスを失う可能性がある。バックアップをしっかりと用意しよう」

 だが、ホームユーザーにとっても、企業ほどでは無いにしろネットワークのダウンはいらだたしいものである。
 SOHO事業者でもない限り、ホームユースでは回線契約は一本であろう。そうなると、様々な原因で起きるインターネット接続回線のダウンは、起こってしまった以上はどうしようもない。原因をつぶして対応する以外に解決策はないのだ。

 例えば、「約束の時間を記したメールがサーバにしかない」とか、「家で仕事をするため、添付ファイルでファイルを送った」とか、「飛行機のチケットの早期予約割引が本日まで」とか、「オークションの落札終了時刻まで時間がない」とか、「HPの更新時刻までにもう間がない」・・・以上のような状況で、回線がダウンしてしまったことに気づいたときに、あなたは諦めきれるだろうか?だが、ホームユースの場合は、大概夕方5時を過ぎてから。フレッツは24時間サポートをやっているが、そこが原因とは限らない。諦めきれないなら、ちょっと自分であがいてみよう。

 まずは、プロバイダから提供されたIPアドレスにpingを打ってみよう。それで物理的に回線が接続されていないのか、そうでないのかがだいたい判別できる。成功したら、多くの場合はソフトウェアの問題だ。設定を見直すなりして解決を目指そう。

 もし失敗した場合は、ルータを導入している場合はルータにもpingを打ってみよう。変な認証を食わせてしまい、ルータが死んじゃうことは、意外とよくあることのようだ。筆者もそれでずいぶんと泣かされた。 これが成功した場合、99%はプロバイダ、もしくはフレッツなどの回線業者に問題がある。24時間サポートがあるならば迷わず電話しよう。多くの場合助かることがある。
 ただ、残りの1%以下の部分で、「ルータのルーティング機能がふっ飛んでいる」場合もある。有り体に言えば、「ルータが物理的に死んだ」と言うことだが、実はこれも筆者は体験した。非常にやりきれない思いだった。この場合も考慮して、めんどくさがりでなければ、PCとの直づけも試してみることをおすすめする。その場合は必ずファイアーウォールを導入すること。ルータのフィルタリングに守られていたことを忘れてはいけない。
 ルータからパケットが帰ってこない場合は、ルータの電源を入れ直してみよう。多くの場合はこれで解決する。その際にPCやモデムも再起動させると、スムーズに復旧することが多いように思う。

 もしもそれでもダメな場合、もしくはルータを導入していない場合は、ネットワーク(LAN)カードや回線接続ソフト、モデムの設定を見直してみよう。例えば、ドライバが入れ替わっていたり、設定が書き換えられていたりする場合がある。
 そうでなければ物理的に壊れているかも知れない。祈るように再起動してから、デバイスマネージャを見てみよう。もっともこの場合はお手上げであるが。

 とにかく今の世の中は、びっくりするくらいにインターネットが生活に食い込んできてしまった。便利なものに慣れるのは早いが、不便な生活に戻るのはほぼ不可能だ。
 その中で「回線の不具合」は、これまた「不可解なくらい最悪のタイミングで」起きることが多いように思う。先に述べた事例のうち、「約束の時間」とか「仕事の添付ファイル」とかは致命的さのランクで言えばかなり上になるが、これは「手帳にメモする」とか、「添付ファイルくらいの容量ならFDで持ち運ぶ」くらいのバックアップ手段が存在する。別に回線をもう一つ用意しろなんて、口が裂けても言うつもりはないが、「これができなかったら絶対やばい!」というものに関しては、せめて何らかの対応がとれるようにしておくべきだろう。
 インターネット、特にADSLやCATVなんて、せいぜいここ5年の間に普及してきた「若い技術」だということを、再確認しておくのが吉である。

---* Appendix *---
 pingに関連してだが・・・以前住基ネットの関係で担当者からヘルプを受け、誤って住基ネット本体のゲートウェイサーバーにpingを打ったことがある。
 で、数分後に住基ネットの管理者の方から「妖しげなパケットがそちらさんから届いた」と言って電話がかかってきた。そんな事態になるなんてつゆとも思わなかった筆者は、大あわてで事情を説明し何とか事なきを得たという、大変ばつの悪いエピソードがある。あのときは、「ああしっかりしてんなあ」と思ったものだった。

ロボットの「心」

2004-09-19 01:53:39 | Thinkings
 ロボットの話題を引き続き引っ張りましょう。興味のない方はご勘弁を。
 さて、今回は
「ロボットは自我を持てるのか?」
というテーマについて、自分なりに整理してみたいと思います。

さて、この問題について、xina-shinさんの 「アイ・ロボット i.ROBOT」劇場にて という記事にて、興味深い考察がされています。

人間とロボットの違いは何でしょう。色々なSFの題材にもなってきましたが、いわゆる自我の意識があるかどうか、だと思います。
人間がかつてサルから進化しました。その過程で私たちの脳は複雑な電気的なネットワークを作り上げる事によって自我の意識を形成していきます。
そしてロボットも進化していきます。たんぱく質とシリコンの違いはあるでしょうが、脳にICも電気的なネットワークで構成されています。自我の意識が芽生えるのは決して偶然ではありません。
人間は物事の決め事に関して、拡大解釈することが出来ます。自らが優位に立つよう解釈を捻じ曲げるのです。(今のアメリカを見れば分かります。)
同じ事が人間以外のモノに出来ないわけはありません。


 昨日の記事で、「感情を表現する」ロボットについて書きました。
 しかし、あの「感情」はプログラムで作られたハッタリです。そして、そのプログラムとは人間が作り上げるものです。
 つまり、ロボットは人間が自我を持つようにプログラムしない限り、自我を持つことはできません。xina-shinさんの言われる進化は、
 1.人間が進化させる
 2.人間が進化するようにプログラムし、それに従って進化する
という2通りの道が考えられます。多分xina-shinさんは、後者を言っていいると思うのですが・・・
 どちらにしろ、ロボットが自我を持つかどうかは人間次第のようですね。

 では、「自我」とは何でしょうか。
 自我 東京理科大学巻田悦郎氏のHPより
 ・・・えーと。本人は、わかりやすく書いたつもりだと思うんです。
 ですが、あまりにも難解なんで、私が理解した範囲で小さくまとめますと、自我とは「過去の記憶を含め、自己を自己として意識すること」となるんでしょうか。
 そう考えると、学習し、自己を一つのシステムと見なして統制する「自立型ロボット」は自我を獲得している、と考えられるように思います。極論を言ってしまえば「AIBOは自我を持っている」と言えなくも無いと言うことです。なぜならAIBOは、「自己に係る刺激を処理」し、自ら充電をしようとするなど、「自己の状態を理解して統制」し、飼い主や、充電場所など、「活動に必要な情報を記憶し学習する」からです。
 ただ、AIBOの自我と人間の自我は大きく異なります。それは、AIBOが機械語で思考するのに対し、人間は自然言語で思考するという、「思考のアプローチ」が全くの違うからです。それ故に受け入れがたいのですが、人間も自然言語という「整理された情報」に従って判断を下すプログラムに従って動いていると考えられます。つまり、それらの自我については、本質的に違いはないものと私は考えます。

 乱暴な言い方をすれば、「外部からの刺激を理解し、自立行動をするロボットには自我が存在する」という言うことになるだろうとは思います。
 では、人間と同じように感情を持てるのか?という問いに対しては、結局の所、過去からの自己以外の対象に対する情報の蓄積を行い、それを感情のモデルに従って処理すると言うプログラムを組んだならば、ロボットは感情を獲得できる、と私は思います。
 結局はそれが形成されるまでのプロセスの違いのみ。そして、ロボット自身で高度な自我を獲得することは、現時点で不可能です。
 彼らを良き隣人とするか、便利な道具とするのか、はたまた新たな敵とするのかは、最後はそれを作り上げる人間自身に係っているのです。