N本工学院で授業のひとつに、DTMの勉強があります。
前回、学生にとあるコード進行を提示しまして、
”コードは自分なりに必ずアレンジして使用し、3時間(2コマ)以内でメロディ、コード、ベース、リズムを入れたトラックを作る”という課題を出しました。
学生が制作作業にとりかかっている間、時折学生の間を見まわったり、質問に応じたりしつつも、僕も教卓にあるPCで同じ条件で制作をしてみました。
本日、その発表会。
学生の作品を30数曲、全員で聴き、おのおの、点数とコメントをつけてもらいます。
これは、作曲家としての側面だけでなく、ディレクター、プロデューサーとして音楽を客観的に評価するという力をつけてもらいたいねらいがあります。
一曲ごとに、
「ここは、このコードを使ったらもっと綺麗に仕上がるよね」
とか
「ここはEQでこのあたりを削る方が、ほら、訊きやすくなったよね」
などと、実践的な解説と分析をしていきました。
中には、めちゃめちゃ凄い作品を作る子いるのですよ、本当に。
まだ、18歳や19歳ですからね。
・・・自分がその年齢の頃なんて、ねえ(笑)。
最後に学生からの点数上位の作品の集計を取り、僕の点数も加え、トップ5を発表。
これは、民主的で公平な、ある意味、本当のマーケティング的な評価ですからね、皆、大きな拍手で讃えてくれましたし、きっと上位の学生は誇らしかったことでしょう。
授業が終わりましたところで、ある学生が、
「先生、この点数評価表は提出するのですよね」
と来ました。確かに、僕は最初に「この評価表は、最後に提出してもらうのでー。」
と言っていたからなのですが、
「いや、別にちゃんとつけてくれてたらいいよ。実はあれは、皆に、しっかり取り組んでもらいたいから言っただけ(笑)」
とタネあかしをすると、
「なんだー。ちゃんとコメントも全曲書いたんですよ・・・」
と。
「ごめんごめん。じゃ、せっかく書いてくれたの、見せてもらうね」
と、ルーズリーフを受け取りましたら、たしかに、きっちりと点数と、評価コメントが書いてありました。
「あ、すごい、100点つけてるのいるね。えーっとこれは」
よく見ると、学生の名前と点数のところに混じって、
「先生 100pt」
と書いてあったのです。
確かに、全員の曲を聴いて、順位も発表した後に、
「ではね、実は僕も前回の授業中に、皆とまったく同じ条件で作ったのがあるから、参考に聴いてみてね」
と聴かせたのでした。
それは評価外でよかったのですが、その学生は、僕のにも点数をつけてくれたのでした。
嬉しいですね。コメントも、
「もう、言うことないです」
と。嬉しいですねえ。
その後は、しばらく他の学生も集まってきてくれて
「ああいうピアノはどうやって弾くんですか」とか、「さっきのオケの厚みはどうやってつけたんですか」などの質問タイムになりました。
僕の知っていることなんて、まだまだ。
僕が知りたいことの方が、山のようにありますが、
でも、僕の知っていることで、少しでも役に立つことがあるのならば、学んでほしいです。
何でも、教えますから。
・・・美味しいご飯のこととかもね(笑)。
ではー。