アンデシュ・ルースルンド、ステファン・トゥンベリ著、 ヘレンハルメ美穂、羽根由訳『熊と踊れ』
これ、上下に分かれてまして。上を半年くらい前に読んだんだけど、なかなか下が読めなくて、
ようやく心を決めて読みました。
というのも、すごく登場人物に感情移入してしまって。読み進めるのがつらかったんですよ。
上では、父親の暴力で家庭が崩壊した三兄弟が、緻密な計画を立てて軍の武器庫から武器を盗み(それも
しばらく発覚しないように)、現金輸送車襲撃や銀行強盗を企てる。ちょいちょいトラブルはあるものの、
大胆な手口で死者を出さずにお金を盗む。でも、死者は出なくても、殺しそうになったり、殺されそうになった
警備員の心に深い傷を負わせたり……と人間の心に関する描写があって、なんだかつらい。
そして、三兄弟の長男、頼れるイケメン(←多分)レオが、ものすごく冷静なんだけど、ふとしたことで
やらなければいいことをやってしまって、なんか不穏な空気が感じられるようになったところで
上が終わった。ので、破滅に向かう下がどうしても読み進められなくて。
レオたちの生い立ちを思うと、悪党がハッピーエンド的なストーリーを願ってしまう。もっと
明るくて勧善懲悪のルパン三世的な(違う??)。
だけど、裏表紙にも書かれているように、この事件は現実にあった事件をベースにしたもので。
事件は苦しい結末を迎える(レオに感情移入しちゃってるから、とにかく苦しかった)。
あとがきに驚くべきことが書かれていて、以下ネタバレ。
共著者のステファンは小説のモデルとなった三兄弟の実の兄弟なんだそうで。
だけど、スウェーデンでは家族の絆がものすごく固いので、兄弟が強盗をしてることを
知ってても警察に通報しない(しないことも罪に問われない)んだそう。
あとがきでこの本は犯罪の前後を記述している、とあったけど、犯罪に至る経緯(父親の暴力とか)、
犯罪の影響(被害者の心に傷とか)に触れているすごい内容の濃い小説だった。
警部もなんか心病んでそうやし。元恋人が忘れられず、結構ストーカーまがいなことを(笑)。
本物の人間ってそんなもんなんだろうな。
重かった。
これ、上下に分かれてまして。上を半年くらい前に読んだんだけど、なかなか下が読めなくて、
ようやく心を決めて読みました。
というのも、すごく登場人物に感情移入してしまって。読み進めるのがつらかったんですよ。
上では、父親の暴力で家庭が崩壊した三兄弟が、緻密な計画を立てて軍の武器庫から武器を盗み(それも
しばらく発覚しないように)、現金輸送車襲撃や銀行強盗を企てる。ちょいちょいトラブルはあるものの、
大胆な手口で死者を出さずにお金を盗む。でも、死者は出なくても、殺しそうになったり、殺されそうになった
警備員の心に深い傷を負わせたり……と人間の心に関する描写があって、なんだかつらい。
そして、三兄弟の長男、頼れるイケメン(←多分)レオが、ものすごく冷静なんだけど、ふとしたことで
やらなければいいことをやってしまって、なんか不穏な空気が感じられるようになったところで
上が終わった。ので、破滅に向かう下がどうしても読み進められなくて。
レオたちの生い立ちを思うと、悪党がハッピーエンド的なストーリーを願ってしまう。もっと
明るくて勧善懲悪のルパン三世的な(違う??)。
だけど、裏表紙にも書かれているように、この事件は現実にあった事件をベースにしたもので。
事件は苦しい結末を迎える(レオに感情移入しちゃってるから、とにかく苦しかった)。
あとがきに驚くべきことが書かれていて、以下ネタバレ。
共著者のステファンは小説のモデルとなった三兄弟の実の兄弟なんだそうで。
だけど、スウェーデンでは家族の絆がものすごく固いので、兄弟が強盗をしてることを
知ってても警察に通報しない(しないことも罪に問われない)んだそう。
あとがきでこの本は犯罪の前後を記述している、とあったけど、犯罪に至る経緯(父親の暴力とか)、
犯罪の影響(被害者の心に傷とか)に触れているすごい内容の濃い小説だった。
警部もなんか心病んでそうやし。元恋人が忘れられず、結構ストーカーまがいなことを(笑)。
本物の人間ってそんなもんなんだろうな。
重かった。