ちびずマムのマイペースな育児・料理・翻訳日記

2007年生まれの1号くんと2010年生まれの2号くんに振り回されつつ、自分の夢もなんとか追っていきたい、ちびたちのマム

石田衣良『1ポンドの悲しみ』

2021年06月13日 | 読んだ本(日本語)
石田衣良著『1ポンドの悲しみ』

タイトルが『悲しみ』なので、もしかして悲しい恋のお話ばかりなのかと思ったけど、
違った。なんだろう、すごい。1人で10編もこんなに違うお話をいろいろ書けるなんて。
と思ったら、なんかいろんな人の話を聞いているそうで。解説によると石田さんは
聞き上手だとか。

ほうほう、私もネタに困ったらいろんな人の話を聞くか!(聞いただけじゃダメなのはすごくわかる)

30代前半の恋がテーマだそうで。なんかすごく共感できたり、胸にぐっと来たり。
どのお話もよかった。一番好きなのは最初の『ふたりの名前』ってお話かな。
別れたときのためになんにでも名前のイニシャルを書いている同棲中のカップルが、
もらった仔猫が病気で、そのためにふたりの関係性が変わっていく感じ。よい。

夫が自分のことをぜんぜん見てくれなくなって、このままじゃ心が渇いちゃうって思い、
心に潤いを与えてくれる人と出会うけど(その日常の育み方が大人ならではの淡い切なさ)、
子どももいて捨てることができない生活がある。
切ない話だけど、悲しいだけじゃない『十一月のつぼみ』もよかった。

遠距離恋愛も、やってたのでなんかすごくわかるな~。でも、悲しみの感じ方は違ったけど。
いや、きっとあんなにつらかったんだろうけど、もう思い出せない『1ポンドの悲しみ』。

石田衣良さんの本、ほかにも読んでみたい。

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