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2015年春 『ジャンヌ・ダルク~ジャンヌと炎』 西日本巡回公演 第8週目

2015-07-10 17:38:00 | トピックス

 

蝉の声が聞こえてくる季節となりました。
メンバーの全員が毎日バケツ一杯分かぶったかのような汗を流し、一日の舞台を終える日々です。

肌寒かった旅の初日を遠くに感じます。 

『ジャンヌ・ダルク~ジャンヌと炎』西日本巡回公演は第8週目を終え、残すこと来週一週間となりました。

 

 

7月6日(月) 香川県 琴平高等学校 同校体育館

     7日(火) 三重県 津西高等学校 三重県総合文化センター 三重県文化会館 

     8日(水) 京都府 桃山高等学校 文化パルク城陽 プラムホール

     9日(木) 兵庫県 宝塚北高等学校 伊丹市立文化会館 いたみホール 

   10日(金) 滋賀県 近江高等学校 滋賀県立文化産業交流会館 

 

 

琴平高等学校  

琴平高校での公演は前日の舞台仕込みから始まりました。
体育館での公演。琴平高等学校は風の公演自体、初めてで、今回のジャンヌ・ダルクの公演が琴平高等学校との最初の出会いの場となりました。

開場時には普段、授業や部活動等で目にしている体育館とは違う空間に生徒さんたちの驚きの声や歓声。
会場はいっぱいになり、 体育館が生徒さんたちの思い思いの声やエネルギーで満たされている中、舞台は幕を開けました。
舞台が始まると会場は一気に静まり、集中した様子でじっと舞台に目を向けていました。

公演は午前中だったのですが、公演後、先生方の協力で5・6時間目が体育の授業であった2クラスの生徒さんが舞台撤去に手を貸してくれました。 

 
 
作業の説明を真剣な眼差しで聞く生徒さん達。
 
 
 
 
 
劇団員と声を掛け合いながら一生懸命手伝ってくれました。
撤去中には何人か、帰りのHRを終えた生徒さんが話しかけてもいいのかな?と戸惑いながらも作業をする劇団員に駆け寄り、「感動しました。」「ありがとうございました。」と声をかけてくれました。
 
撤去を含めて共に作った公演の、1日にも満たないこのわずかな時の中で、私たちは彼らの中のあたたかさを感じました。
琴平高等学校との最初の出会いとなったこのジャンヌ・ダルクの公演が再会、そして新たな出会いへの“架け橋”となると信じています。
 
 
 
 
 
津西高等学校
 
三重県文化会館という大きな会場に、私服姿で来場してくる生徒さんたちはリラックスしているような、劇場という場所にワクワクドキドキしているような、さまざまに動く感情や表情が見られたように思います。
 
会場は約1100人の津西高等学校のみなさんと、来場してくださった30人の保護者の方々でいっぱいになりました。
舞台のプロローグで役者が客席から登場すると、客席は驚く中で手拍子をしたり、2階席には立ち上がって1階席に現われた役者に手を振ってくれた生徒さんもいて、私たちは1100人が生み出す圧倒的な空間の中に迎えられました。
物語が始まるとさまざまな反応を見せてくれました。役者の動きに笑う生徒さん、舞台上に出てくる大きな人形に驚き目を覆い隠す生徒さん、役者の言葉をじっと聞く生徒さん、と細かいところまでよく見て、聞いてくれていたように思います。
 
カーテンコールでは生徒会長さんが「舞台の良さを知りました。これからもこのような素敵な舞台をたくさんの人に届けてください。」というような私たちの力となる言葉と共に素敵な花束を贈ってくれました。
 
 
 
 
会場を後にする生徒さん達。
公演に対する感想や疑問の声が聞こえてきました。
 
 
また、公演後すぐに先生、生徒会長さんが舞台裏に足を運んでくださいました。
 
 
 
彼らの素直な舞台の捉え方は繊細なものだと感じる公演でした。
このジャンヌ・ダルクの公演が津西高等学校の皆さんにとってほんのひとかけらでも何かの力となってくれると願っています。
 
 
 
 
 
桃山高等学校

桃山高等学校での公演は2・3年生約700人の公演でした。
開場時には元気な声が会場いっぱいに響きわたり、目に飛び込んでくる舞台に驚く声、歓声は舞台の裏まで伝わってきました。
私たち自身そのパワフルな声に奮い立たされながら、桃山高校の皆さんと出会える瞬間を心待ちにしていました。
 
舞台が始まると会場は一転、しんと静まり、沈黙する会場に少しの緊張感さえ感じました。
じっと集中し、舞台に向けるのみ込まれるような眼差しは真剣でした。
 
 
公演後にはジャンヌ役の白根との座談会が行われました。
 
 
手を上げ積極的に質問する生徒さん。
 
3年生は今度クラスで舞台を作るそうで、自分たちの視点から質問をし、熱心に白根の言葉を聞いている姿が見られました。
彼らの質問を聞くと、舞台の白パネルに写る影の動きや演出、声の出し方など具体的で、細かい役者の動きや言葉をよく受け取っているいることを感じました。
同時に自分たちがこれから作る舞台への熱も感じられました。
 
座談会が終わった後にも時間の限り、白根に声をかけている生徒さんもいました。
 
 
 
この日の公演が、白根が彼らから受け取り、返した言葉たちが、彼らが作る舞台の力となってくれたら嬉しいです。
そして、そこからまた新たに何か大切なものを発見し、繋げていける彼らの力と情熱をこれから先も持ち続けていってほしいです。 
 
 
 
 
 
宝塚北高等学校
 
宝塚北高校は風の演出家である江原の出身校であり、風が宝塚北高校で行う公演は今回で2回目となりました。
会場は910人の生徒さんたちと来場してくださった保護者の方々約30人、宝塚北高校の卒業生数名でいっぱいとなりました。
 
客席から役者が登場すると笑いが起こり、私たちは客席が作る明るい空間の中に手拍子で迎えられました。
 
生徒さんたちはリラックスした様子でそれぞれの感覚を持って、自由な態度で見てくれていたように思います。
生徒さんたちの笑う声、集中した視線、驚く顔、真剣な表情とさまざまに動いていることを感じ、その客席に支えられて、共にいて、共につくった舞台でした。
 
カーテンコールでは、ジャンヌ役の白根から生徒さんたちへの一言に続き、卒業生である江原からのあいさつでは、ひとりひとりが思い思いに、今の自身の視点から先輩ともなる江原の言葉を聞いていたのではないかなと思います。
 
 
公演後にはジャンヌ役の白根に加え、江原と演劇科の演出班の生徒さん5人との舞台見学、座談会がありました。
 
 
 
 
舞台美術に触れる生徒さん達。
直接触れ、「なんかギブスみたい!」と言っていました。
 
 
 
座談会の様子。
 
座談会には先生方も何人か残っていました。
演出班の生徒さんたちだったこともあり、演出的なことはもちろん、将来のことなど現実的な質問も多かったようです。
 
公演から舞台見学、座談会を含めて、ひとつでも自身にとっての何かの刺激となってくれることを、
そして、宝塚北高校の皆さんと再会し、また新たな出会いを作ったこのジャンヌ・ダルクの公演が再び大切な何かに繋げていけることを信じて。
 
 
 
 
 
近江高等学校
 
近江高校とは2年ぶりの再会となり、今回で4回目となる公演でした。
 
リラックスした様子で来場する生徒さんたちの姿はエネルギー全開で、元気なその声は真夏の暑さも吹き飛ぶようでした。
「皆さんに本物の舞台をみせてくれます。」という生徒さんたちにかけていた開演前の先生の言葉は、スタンバイしている私たちをも奮い立たせました。
そして、文化委員長さんの拍手の合図で舞台は幕を開けました。
 
舞台が始まると思い思いの感覚で自由に舞台を見ていました。
役者の動きに素直に笑ったり、「なにあれ!」と驚きの声を上げたり、自身の視点をそれぞれに持って舞台に目を向けているように思いました。
 
 
退場していく生徒さんたち。
ロビーでは公演のことを話している何人かの生徒さんたちの姿もみられました。
 
 
公演後にはカーテンコール時にお礼の言葉と花束を生徒代表で贈ってくれた生徒会長さんと、担当の先生が楽屋まであいさつに来てくださいました。
 
 
生徒会長さん、「ジャンヌが火あぶりの刑にされるところが感動しました」とジャンヌ役の白根に感想を伝えている様子。
 
担当の先生も本当に生徒に対して熱心な先生で、先生の言葉からは生徒が舞台を見ている姿から舞台を見ているように思いました。
 
 


今回で4度目となる近江高校と風の出会い。
そして、先生の生徒さん達への想いが繋いだこのジャンヌ・ダルクの公演が彼らにとっての新たな出会い、今持っているそれぞれの感覚を持ち続けられる力となってくれることを願って。

 

 

『ジャンヌ・ダルク~ジャンヌと炎』西日本巡回公演、第8週目を終えた私たちは、ここまであっという間だったような濃厚であったようなと感じながら、一日一校終えるたびに、劇団員でその日の公演のことを語り合っています。

その日一日の物語をみんなで語り合う中で紡いでいくように。

そして、来週は最後の一週間となります。
一日一日を噛みしめて、千秋楽を迎えたいと思います。 

 

 

ヨランド・ダラゴン役:高階ひかり 

 


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