風のBLOG

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2024年 春 『Touch〜孤独から愛へ』 西日本・新潟ツアー その4

2024-06-20 15:03:40 | トピックス

今回は6月4日〜6月14日までの2週間、

西日本各地の中学校、高等学校の皆さんと出会えたこと、そして一緒につくった素敵な公演の様子をお届けします!

 

6月4日(火)【鳥取】鳥取城北高等学校

6月5日(水)【大阪】守口東高等学校

6月6日(木)【島根】大田高等学校

6月11日(火)【愛媛】大洲高等学校 & 大洲農業高等学校 & 大洲高等学校肱川分校

6月12日(水)【香川】香川県藤井中学校・高等学校

6月13日(木)【大阪】今宮高等学校

6月14日(金)【徳島】鳴門教育大学附属中学校

 

 

鳥取城北高等学校

鳥取城北高等学校は2014年『ジャンヌ・ダルク』、2017年『ヘレン・ケラー』を上演し、今回で3回目となる風の公演です。

気持ちのよい青空の下、会場の外にはたくさんの生徒さんたちが今か今かと集まっていました。

午前・午後 2回公演でした。

午前も午後も入場開始すると同時に舞台見学を行いました。

舞台見学の呼びかけに最初は躊躇している様子でしたが、

1人舞台にあがると「私も!僕も!」と多くの生徒さんたちが舞台美術に触れ、

“この舞台で一体何が起こるのだろう”と楽しみにしてくれている様子でした。

鳴り止まぬ拍手で開演した舞台。時に笑いが起こり、後半に進むにつれじっと舞台に向けられた眼差し。客席では終始、前のめりになって舞台を見つめている生徒さんがいたる所で見られ、その姿がとても印象的でした。

終演後にも舞台見学が行われました。

クライマックスの場面を再現する生徒さんや「自分もハロルドのようにグルグル巻きになってみたい!」とお友達がフィリップ、トリート役になり、その場面を再現している生徒さんたちの姿を見て、最後まで本当に細かいところまで舞台を見てくれていたんだなと実感しました。

最後は役者も揃って笑顔あふれる記念写真撮影。

送迎バスを待っている生徒さんたちとトリート役の佐野との座談会が行われ、質問が飛び交い、佐野が客席のあちこちに移動しながら質問に答えていました。

鳥取城北高等学校の皆さん、ありがとうございました!

 

守口東高等学校

守口東高等学校は今回が初めての風の公演です。

司会進行は生徒さんが。

舞台監督の佐田と“より良い公演のために”とコミュニケーションをとりながら、事前の打ち合わせを行っていました。

2階席までいっぱいの客席。

司会の生徒さんから「楽しむところは存分に笑い、感動するところは存分に泣き、公演を思いっきり楽しみましょう!」と挨拶があるとそれに答えるように客席からは大きな拍手が起こりました。

カーテンコールでは代表の生徒さんが「フィリップの独特な飄々とした姿が好きです。」とフィリップに愛を伝えてくれて、素敵な花束も頂きました。

終演後は舞台見学も行われました。

フィリップが大切にしている赤い女物の靴。

なんと!ピッタリ!シンデレラフィットで履けている生徒さんがいました。

周りのお友達からは拍手が。

守口東高等学校では9月に文化祭があり、3年生は演劇を発表するクラスが多いとのこと。今回の公演を通して、少しでも演劇発表の参考になってくれたら嬉しいなと思います。クラスでの演劇発表楽しんでください!!

守口東高等学校の皆さん、ありがとうございました!

 

大田高等学校

大田高等学校は1990年『星の王子さま』、1995年『Touch』、2013年『ヘレン・ケラー』を上演し、今回で4回目となる風の公演です。

入場前のロビーはたくさんの生徒さんで溢れ、会場へと繋がる扉には長い行列ができていました。

客席では劇団員と生徒さんとの交流も見られ、写真を撮っていると皆さんこちらにピースをしてくれたりと、会場内はとても明るい雰囲気に包まれていました。

大田市ではここ数年継続的に公演を行っており、中学生の時に『Touch』を見たことがあるという生徒さんも数名いました。

またこの日は保護者の方も来られていて、生徒さん、先生方、保護者の方々が一緒になって公演をつくってくださいました。

開演前、校長先生からは「本気で見るということ、“プロの観客になること”は誰でもなれることができる。思ったことを素直に感情に出したり、感じたりする素晴らしい感性を皆は持っている。今日はそんな私達と風とが一体となって素敵な公演にしましょう!」と素敵な挨拶を頂きました。

カーテンコールでは生徒会長さんから「言葉ひとつひとつに重みがあり、とても感動しました。人と出会うことで人生が変わることがあると思いますが、僕は今回の公演を通して人に優しい言葉を伝えられる人になりたいと思いました。」と力強い言葉をもらいました。また素敵な花束もありがとうございました!

終演後、たくさんの生徒さん達が舞台見学に来てくれました。

役者との交流も見られ、ハロルド役の柳瀬に生徒さんたちが「元気付けてください!」と声をかけ、それに応え柳瀬が「今度はこうやって君たちが友達を元気付けてあげてね。」と声をかけながら元気付けていました。

役者と3年生で卒業アルバムに載せる記念写真を撮影している様子。

この日の公演が高校生活のひとつの思い出となってくれることを願って。

舞台撤去をしているとバラバラになった大道具を興味津々で見つめている生徒さんの姿が。劇団員が声をかけると一緒に荷物のトラックへの運び出しのお手伝いをしてくれることに!電車の時間ギリギリまで手伝ってくれました!

大田高等学校の皆さん、ありがとうございました!

 

大洲高等学校

大洲高等学校肱川分校

大洲農業高等学校     合同公演

大洲城の二の丸にある会館、大洲市民会館で3校合同公演がありました。

大洲高等学校と大洲高等学校肱川分校は2011年『ヘレン・ケラー』、2014年『ジャンヌ・ダルク』、2018年『ヘレン・ケラー』を上演し、今回で4回目の風の公演、そして大洲農業高等学校は今回が初めての風の公演となりました。

猛暑の中、学校から徒歩で会場に向かう生徒さんたち。

客席では学校の垣根を越えて交流している姿が多く見られました。

カーテンコールでは大洲高等学校生徒会長さんから「初めて間近で見る演劇は終始圧倒され、心から笑い、心から考えさせられる時間だった。実りのある時間をありがとうございました。」と、大洲農業高等学校校長先生からは「3校が同じ時間を共有できたことがとても嬉しく思います。それと同時に大洲高校は今年100周年であり、こうした節目にこのような経験ができ、ありがたく思います。」とお言葉を頂きました。

終演後、当日の呼びかけで舞台見学を行いました。

舞台いっぱいに生徒さんが押し寄せ、圧巻の光景でした。

舞台撤去が始まると客席ではハロルド役の柳瀬との座談会が行われ、柳瀬の言葉ひとつひとつに真剣な眼差しを向けている生徒さんが印象的でした。

大洲高等学校、大洲高等学校肱川分校、大洲農業高等学校の皆さん、ありがとうございました!

 

香川県藤井中学校・高等学校

香川県藤井中学校・高等学校は今回が初めての風の公演です。

午前は高校生、午後からは中学生が鑑賞しました。

午前 高校生の様子

午後 中学生の様子

午前・午後、それぞれに舞台に対する反応も様々で、“その場にいる人たちとその場でつくる”という舞台の楽しさや新鮮さ、可能性を改めて実感しました。

(午前の公演)カーテンコールでは「初めて間近で演劇を見て、貴重な素晴らしい経験ができ、とても圧巻でした。これからの公演も頑張ってください。応援してます!」と言葉をもらい、それを受けてハロルド役の柳瀬が「今日の公演は皆さんのおかげで素敵な公演になりました。ありがとうございました!」と声をかけると、客席から「ありがとうございました!」と声を返してくれる生徒さんの姿がありました。

午前終演後、午後の公演のため準備をしていると先生方が舞台見学へ来てくれました。それにつられて数名の生徒さんも体育館に足を運んでくれました。

午後の公演の準備も生徒さんが一緒に手伝ってくださり、またまた舞台が孤児の兄弟が2人だけで暮らす古びたアパートの一室へと変身しました。

(午後の公演)カーテンコールでは中学校の代表生徒さんから「最後まで役者3人の掛け合いが面白かった。また言葉だけでなく体全体を使って表現している姿に引き込まれて目が離せなかった。」と素敵な言葉をもらいました。

終演後、舞台撤去を始めようとしているとたくさんの生徒さんが舞台見学をしに体育館に足を運んでくれました。サッカー部の生徒さんは興奮冷めやらぬ様子でクライマックスのフィリップ、トリートの再現をしていました。

なんと!舞台見学に来ていた生徒さんたちがそのまま体育館に残り、有志で舞台撤去のお手伝いをしてくれました。撤去中も劇団員とコミュニケーションをとり、交流している様子も見られました。

撤去の中、新聞部の皆さんが出演者3人それぞれにインタビューをしていました。

話を聞き、真剣にメモをとる姿や視線はとても印象的でした。

今回の公演について新聞部の皆さんが作った新聞、是非読みたいです!

最後に手伝ってくれた皆さんと記念撮影。

香川県藤井中学校・高等学校の皆さん、ありがとうございました!

 

今宮高等学校

今宮高等学校は2000年・2019年『ヘレン・ケラー』、2021年『Touch』を上演し、今回で4回目となる風の公演です。

司会の生徒さんたちが打ち合わせ後に皆より一足先に舞台見学をしていました。

突然テレビの画面が光ると驚いていたようで、“どうなってるの?どういう仕組みなの?”と興味津々な様子。音響の上田が説明すると「すごい!」と楽しんでくれていました。

この公演を通して友達、家族、地域の方々との関わりに思いをのせてリラックスして自由に楽しんでください!」と司会の生徒さんが挨拶し、盛大な拍手で始まった舞台。

何も知らず家族からの愛情を実感することもないまま大人になったフィリップはハロルドとの心の触れ合いを通して今まだ知らなかったたくさんのことを知り、人の温もりを感じることができた姿に心を揺さぶられました。」と代表の生徒さんからは素敵な挨拶をもらいました。

当日の呼びかけで舞台見学を行いました。

たくさんの生徒さん達が舞台にあがり舞台セットに触れたり、役者とお話をしていました。

そんな中で特に印象的だったのは、生徒さんたちがしきりにある先生に「やっぱりフィリップに似てる!」と言っていて、その先生がフィリップ役の佐藤に声をかけ、2人で記念撮影をしていたんです。似てますよね!

また舞台見学が終わり舞台撤去をしている中、客席の方ではトリート役の佐野との座談会が行われていました。和やかな雰囲気のなか、生徒さんたちからはたくさんの質問があり、とても充実した時間を過ごしている様子でした。

鳴門教育大学附属中学校

鳴門教育大学附属中学校は2020年『ヘレン・ケラー』、2021年『Touch』を上演し、今回で3回目となる風の公演です。

敷地内にある受付のモニター画面には素敵なメッセージが!

午後からの本番に向け、舞台設営を進めていると「おはようございます!」と声が。

なんと!1年生と3年生がクラスごと、順々に見学に来てくれました!

いつもの体育館が段々と劇場に変わっていく様に驚きと興奮した様子の生徒さん達。

ある女子生徒さんが「こんな素敵な舞台で役者の方々がお芝居している姿を想像するだけで、今からワクワクしてきます!」と声をかけてくれました。

東京演劇集団風の皆さんが我が附属中学校にやってきてくれました!!

校長先生が明るく声をかけると客席からは拍手が起こり、続けて「(コロナ禍で全国の学校で行事が中止や縮小になった時)“そんな時だからこそ附属中学校がかつてしたことがないような行事をやろう”と考えていたときに風と出会い、芸術鑑賞会を実施することができた。」と“風と附属中学校との出会い”を話されていました。「なかなか演劇を見る機会はありませんが、今日はこんな至近距離で観れる感動を共に分かち合って楽しい時間にしましょう。」とお言葉をいただき、盛大な拍手と共に開演しました。

カーテンコールでは文化委員長さんが「僕たちはこのような劇を鑑賞する機会がなかなか無かったのですが、今日このような機会に得られ、とても感動し、同時に学ぶことも多くありました。劇団の皆さんのチームワーク、演じることに対して一心に情熱を注ぐ姿などです。今回得た学びや感動を今後の生活に繋げていきたいと思います。」と力強い言葉をもらい、素敵な花束もいただきました。

そして終演後、有志の皆さんが最終下校時間ギリギリまで舞台撤去をお手伝いしてくださいました。

鳴門教育大学附属中学校の皆さん、ありがとうございました!

 

『 Touch 〜孤独から愛へ 』

西日本・新潟ツアーも中盤となってきました!

生徒さん、先生方、保護者の方、地域の方々との出会いの中で

舞台と客席が一緒になって作り上げる空間の楽しさや可能性を

ひとつひとつ大切にしながら私たちは旅を続けていきます。

来週はどのような出会いがあるのでしょうか。楽しみで仕方ありません!

 

文:亀澤美未(スタッフ)

 


2024春『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』 東日本・西日本ツアー 第3週目

2024-06-20 00:28:59 | 全国巡回公演

5月28日(火)  【群馬県】月夜野北小学校(みなかみ町カルチャーセンター)

5月31日(金)  【東京都】青山学院中等部(青山学院講堂)

 

月夜野北小学校

風の創造拠点・アトリエ月夜野演劇工房がある群馬県みなかみ町の事業、「舞台芸術による町づくり実践事業」による公演が行われました。今年は月夜野北小学校の皆さんが観劇しました。PTA共催行事ということで保護者の皆様が先生方と一緒になって、子どもたちのための場をつくってくれました。校長先生は以前別の学校で『星の王子さま』を公演した際に教頭先生でいらして大変お世話になった方。一緒に公演をつくってきたメンバーとの再会をとても喜んでおられました。
鈴の音が聞こえていよいよ児童さんたちが入って来ました。(熊よけの鈴をランドセルに付けています)
荷物を置いた児童さんたちが次々と舞台に上がり、隅々まで探検しました!子どもたちの元気な姿を先生方、保護者の皆様、教育委員会の方々も笑顔で見守っていました。
子どもたちの好奇心いっぱいの視線と彼らの心が育つことを願う大人たち。公演中も地域の人たちのあたたかい繋がりを感じました。
10分の休憩時間も舞台裏を覗いて楽しんでくれました。
公演後にはヘレンケラー とサリバン先生が皆さんをお見送り。短い時間でしたが、一人一人とお会いできて良かったです!
私たちにとっても大切な場所、みなかみ町の「町づくり」に芸術を通して携われること、子どもたちの成長を一緒に見守る機会があることに改めて感謝しています。
 
 
 
青山学院中等部
2006年の『星の王子さま』公演以来久しぶりの公演です。今回は中等部一年生の学年行事として行いました。
開場時間より少し早く女子生徒さんが一人入って来ました。ヘレン・ケラーが好きで公演を楽しみに待っていてくれたとのこと。20代の劇団員、高階のどかと水流かなこが舞台裏を案内し仲良くなっていました。
入場時間になり生徒さんが入って来ると、舞台に上がれることにビックリ!急いで舞台に上がり友達にアピールする姿、ポンプの水を出して盛り上がる様子も。でも開演時間が迫っていたので、続きは休憩時間に…ということで開演です!
前半は舞台をじっと見つめる生徒の皆さんでしたが、休憩時間になると一斉に舞台に上がって来ました!舞台上は満員。こんなに興味を持ってくれるとは劇団員も驚きました。
後半は弾けるような笑い声と息遣いが一緒に舞台を創ってくれました。
公演後のカーテンコールで生徒さんからの質問に出演者が応えました。「実話を台本にする時、どのように言葉を書いていくのですか?」
「偉人の中でヘレン・ケラーを選んだのはなぜですか?」という上演意図に繋がる質問や、ヘレンやアニーを演じる時の俳優の内面に深く興味を持った質問をいただきました。
児童・生徒の皆さんと交流し彼らの言葉や姿に出会うことは、私たちが大事なことに気づいたり改めて考えるキッカケにもなります。そして一人一人が見つけた大事なことを持って次の公演に向かっていきたいと思います。
 
パーシー役 稲葉礼恵