勝手に映画評

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ファースト・マン / First Man

2019年02月11日 | 洋画(アメリカ系)
アポロ11号で、人類で初めて月面に降り立ったニール・アームストロングの半生を描いた作品。

『アポロ13』では、ジム・ラベルと言う宇宙飛行士にも焦点を当てつつ、アポロ13号そのものを描いた作品だったわけですが、この作品は、ニール・アームストロングその人を描いています。そういう意味では、宇宙開発計画については、ジェミニ計画からアポロ計画に至る過程が描かれていますが、あくまでもアームストロング中心。それら計画に従事していた時、アームストロングが何を考えていて、何を感じていたのかと言う事が描かれています。

彼は、比較的おとなしい人物であったため、最初に月面に降り立つ人間に選ばれたとも言われています。その辺りは、上手く描かれているのですが、その人物像は、彼がエンジニア体質であったと言う事もあるのかもしれません。

それと、この作品で初めて知ったのは、彼が第二子を亡くしていたと言う事。それも、彼が一層大人しくなり、いろいろと考えてしまう人物であることに拍車をかけたのかもしれません。

一つ興味深かったのは、「NASA(アメリカ)は、宇宙開発に際して死者が出ることに十分対処できるノウハウと、体制を持っている」と言う話を聞いたことがあります。アームストロングたちが、月面着陸に失敗し、地球に帰還できなくなることを想定した追悼文も準備されていたというのは有名な話です。ですが、興味深かったのは、そっちの話ではなく、エド他のアポロ1号のメンバーが事故で殉職してしまった事に関連するエピソード。エドの妻パットが呆然としているシーンをみると、全然、死者が出ることに対するノウハウも体制も、実は無かったんだなと思わざるを得ません。まぁ、その後、整えられていったと言う事なのかもしれませんが。

素人でも名前を知っている様な宇宙飛行士が、いっぱい出てきます。そう言う意味でも面白いです。ですが、宇宙開発計画を描いた作品で、ここまで一人の人物に焦点を当てた作品は、少ないと思います。なかなか深い映画でした。

タイトル ファースト・マン / 原題 First Man

日本公開年 2019年
製作年/製作国 2018年/アメリカ
監督 デイミアン・チャゼル
出演 ライアン・ゴズリング(ニール・アームストロング)、クレア・フォイ(ジャネット・アームストロング/ニールの妻)、ジェイソン・クラーク(エド・ホワイト/アポロ1号宇宙飛行士)、カイル・チャンドラー(ディーク・スレイトン/マーキュリー・セブンの一人)、コリー・ストール(バズ・オルドリン/アポロ11号月着陸船パイロット)、キアラン・ハインズ(ボブ・ギルルース/NASA管理職)、パトリック・フュジット(エリオット・シー)、ルーカス・ハース(マイク・コリンズ/アポロ11号司令船パイロット)、イーサン・エンブリー(ピート・コンラッド)、シェー・ウィガム(ガス・グリソム/アポロ1号宇宙飛行士)、パブロ・シュレイバー(ジム・ラベル)、クリストファー・アボット(デビッド・スコット)、スカイラー・バイブル(リチャード・F・ゴードン・Jr.)、コリー・マイケル・スミス(ロジャー・チャフィー/アポロ1号宇宙飛行士)、オリビア・ハミルトン(パット・ホワイト/エドの妻)、クリス・スワンバーグ(マリリン・シー/エリオットの妻)


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