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『現代思想 2011 VOL.39-16』の特集は、「ポスト3.11のエコロジー」。その軸には、今日の人類学がある。3.11以降考えなければならない問題として人と自然の関係が主題化されており、その意味で、冒頭の「エコロジーの大転換」と題する管啓次郎+中沢新一の対談はひじょうに興味深い。ヒトは自然のなかに埋め込まれているのであり、自然と社会というときの「と」の対立構造で考えることは誤りだという問題の提起。四者による討議、「生存のエコロジー」では、自然などの間なるものを人間から切り離して捉えることは、近代社会の設定そのものであり、それがラトゥールやストラザーン、ドルゥーズ=ガタリの思想の軸になっているのだという。そこではまた、人と人が関わり合い、生業を行うなかで、様々な生き物と関わりながら、たがいに交際の仕方を変えることによって、人間は人間になり、動物は動物になるということを描き出すことこそが、本来の民族誌であるという、胸がすっきりとするような<民族誌宣言>がなされている。「機械状アニミズム」では、ガタリと人類学者ヴィヴェイロス・デ・カストロの思想が交差的に語られる。ガタリは、主観性を主体や人格から切り離すだけでなく、人間からも切り離して、主観性の脱中心化に取り組んだという。そのことを梃子にしながら、そこでは、アニミズムが論じられる。「大地に根ざして宇宙を目指す」では、社会の自由な構築と自然の真理の開示を保証する社会と自然の分離という虚構の上に増殖するハイブリッド・モンスターの暴走を阻むために、グローバルな環境に対する先住民運動が検討される。最後に、ヴィヴェイロス・デ・カストロの「強度的出自と悪魔的縁組」の邦訳。英語で読んだときにはさっぱり分からなかったが、日本語で読んでも難解だ。難解すぎる。ドゥルーズと人類学の対話。
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