季節のないボルネオ島の混交双葉柿林。
2017年3月上旬、サラワクのブラガ川の上流域。
花がぽつぽつと咲き始めていた。
花の季節(daun busak)が到来したようだ。
森で最もたたくそびえるメンガリスの木(tanyit)には、オオミツバチ(layuk)が巣をつくり始めていた。
オオミツバチは花蜜を吸いメンガリスに巣をつくり始めると、プナンは来るべき動物の大量出現に向けて、狩猟の準備を開始する。
花の季節の後、実が成り、コウモリやトリが啄んだ実を地面に落下させ、地上動物が身を食べに樹下に集うからである。
もうすぐ果実の季節(daun bue)となり、森に動物が集う。
やがて、森は楽園となるだろう。