たんなるエスノグラファーの日記
エスノグラフィーをつうじて、ふたたび、人間探究の森へと分け入るために
 



第5回研究会(予告) ハラウェイ、ローズ、ナイト&フィン
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日時 2017年1月22日(日) 13:00~17:30
場所 立教大学 池袋キャンパス 12号館 2階 ミーティングルームA,B

マルチスピーシーズ人類学 特集セッション1 種間関係の「愛と非-愛」

13:00~15:00
■ファシリテータ シンジルト(熊本大学)、近藤祉秋(北海道大学)、奥野克巳(立教大学)

【趣旨】 ダナ・ハラウェイは、『伴侶種宣言』の中で、イヌと人の間の「重要な他者性」を語るとき「愛」を強調した。ハラウェイのもう一つの重要な著作『犬と人が出会うとき』では、種間の「愛」は、いかに論じられているのだろうか?他方、オーストラリアン・ヒューマニティーズ・レヴュー誌の2011年の特集「嫌われものたち」(Australian Humanities Review 50, May 2011 “Unloved Others: Death of the Disregarded in the Time of Extinctions”)では、人間と他種との「非-愛」が一つの軸となっている。本特集セッションでは、ハラウェイの「愛」論と「嫌われものたち」の特集論文を読んで、マルチスピーシーズ人類学における「愛」について検討する。さらには、ハラウェイの「クルトゥセン」をめぐる最新論考を読み、ハラウェイの「愛」とその後を追ってみたい。取り上げる文献は以下である。

・ダナ・ハラウェイ 『犬と人が出会うとき:異種協働のポリティクス』高橋さきの訳、2013年、青土社
・Deborah Bird Rose  “Flying Fox: Kin, Keystone, Kontaminant”. Australian Humanities Review 50
・Donna Haraway “Tentacular Thinking: Anthropocene, Capitalocene, Chthulucene". e-flux 75

マルチスピーシーズ人類学 文献レヴュー4

15:15~16:15
■ファシリテータ 相馬拓也(早稲田大学)

ハチ及び蜂蜜は、人間にとっての食料としてだけでなく、文化的にも重要な対象であった。モンゴルの人と家畜との「ともに生きる」関係を描きだしたナスターシャ・フィン(Living With Herds: Human Animal Coexistence In Mongolia. 2011)によるオーストラリアのYolnguの人々の、人間とハチの多層的な関係性を取り上げた論文を読み、議論する。

・Natasha Fijn "Sugarbag Dreaming: the significance of bees to Yolngu in Arnhem Land, Australia". HUMaNIMALA 6(1): 41-61

16:30~17:30
■ファシリテータ 奥野克巳(立教大学)

1980年代後半から日本の山村でフィールドワークを行い、日本人と野生動物の関係に関して、”When timber grows wild: the desocialisation of Japanese mountain forests” In Nature and Society. Descola, Ph. and Gisli Pallson(ed.), 1996, Waiting for Wolves in Japan. 2006, Herding Monkeys to Paradise. 2011などの研究を精力的に発表してきたジョン・ナイトの狩猟に関する近年の論文を取り上げて検討する。 ・John Knight  “The Anatomy of the Hunt: A Critique of hunting as Sharing”. Current Anthropology 53(3)

*研究会には、関心のある方ならどなたでも参加いただけます。
関連諸文献に関しては、各自で入手願います。
入手できない場合には、以下の連絡先まで問い合わせてください。
配布資料準備のため、参加者は、研究会の3日前までに参加の旨をご連絡ください。

連絡先:奥野克巳 katsumiokuno@rikkyo.ac.jp




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年初には順調な滑り出しで、この分なら年80~100冊行けるのではと思ったほどの勢いが、夏から秋にかけて突然失速し・・・だが、今年もなんとか50冊に達したようだ。小説は、あっちに行きこっちに行きつつしながら、テキト~に読み漁るのがいい。今年は、吉村萬壱さんの本を5冊読んで、お会いすることもできた。待望のハレンチ作家あらわる、と周囲には言いふらしてる。今後、どんな作品が出されるのか、期待大。小野正嗣さんの作品も二冊読みお会いした。多言語状況に身を置くことで言語に向き合うことができるという考えに感じ入った。リョサの『ドン・リゴベルトの手帖』は、低俗な軽さと重厚さを兼ね備えたエロティシズム小説の傑作。中村邦生さんの『転落譚』は、文学に対する深い理解から生まれた物語。ルルフォ『ペドロ・パラモ』、石牟礼道子『あやとりの記』、森敦『月山』に見られる、人と人ならざる世界をめぐる幽冥譚の系譜とでもいうべき文学の想像力の豊かさに脱帽。待つのだけど何を待っているのかさえ分からないというとてつもなく大きな不条理。『ゴドーを待ちながら』は、私たちの人間の生きている世界は、そんな感じでできているんだということを示している。ベケットじつに恐るべし。まだまだ触れてない度肝を抜く作品があることの予感。まだまだ、文学が足りない。ザルテンの『バンビ』は、児童文学だろうと高をくくってスルーしていたのかもしれない。ノロジカから見た世界の描写。あいつと称される人間は、じつに嫌なやつなのだ・・・以下、2016年の濫れ読みの個人的な記録として。

小松左京 『果てしなき流れの果に』
マリオ・バルガス・リョサ 『ドン・リゴベルトの手帖』
ベルナール・ウェルベル 『蟻』
ホーソーン 『緋文字』
野坂昭如 『エロ事師たち』
梨木香歩 『村田エフェンディ滞土録』
『エドガー・アラン・ポー短編集』
『谷崎潤一郎マゾヒズム小説集』
谷崎潤一郎 『蓼喰う虫』
吉村萬壱 『ハリガネムシ』
吉村萬壱 『ボラード病』
吉村萬壱 『クチュクチュバーン』
吉村萬一 『臣女』
夢枕獏 『陰陽師』
ゴーンブローヴィッチ 『フェルディドゥルケ』
中村邦生 『転落譚』
小野正嗣 『九年前の祈り』
小野正嗣 『残された者たち』
谷崎由依 「天蓋歩行」
室生犀星 『蜜のあわれ』
幸田文 『木』
シェイクスピア 『マクベス』
ジュリアン・グラック 『半島』
シェイクスピア 『オセロー』
ベケット 『ゴドーを待ちながら』
フェンテス 『アウラ・純な魂』
カーソン・マッカラーズ 『結婚式のメンバー』
中村邦生 『チェーホフの夜』
シェイクスピア 『リア王』
平出隆 『鳥を探しに』
フアン・ルルフォ 『ペドロ・パラモ』
日野啓三 『台風の眼』
J.G.バラード 『沈んだ世界』
村田紗耶香 『コンビニ人間』
吉村萬壱 『ヤイトスエッド』
石牟礼道子 『あやとりの記』
石牟礼道子 『椿の海の記』
花房観音 『花びらめくり』
葉真中顕 『ブラック・ドック』
松浦寿輝 『花腐し』
森敦 『月山』
磯崎憲一郎 『終の住み処』
滝口悠生 『死んでいない者』
上橋菜穂子 『獣の奏者I 闘蛇編』
上橋菜穂子 『獣の奏者II 王獣編』
ジャン・コクトー 『恐るべき子供たち』
フェリークス・ザルテン 『バンビ:森の、ある一生の物語』
村上春樹 『風の歌を聴け』





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