たんなるエスノグラファーの日記

エスノグラフィーをつうじて、ふたたび、人間探究の森へと分け入るために

空腹な日々

2014年08月20日 16時56分30秒 | フィールドワーク

2014年8月、半年ぶりに、ブラガ川上流のプナンを訪ねた。

先月のあるリーダーの死、それは共同体にぽっかりと空いた穴のようなものであった。
我々とは大きく異なる、荒々しいまでの死の滅却(破壊)というプナン的な死をめぐる態度に関して、改めて考えるきっかけを得たように思う。

もうひとつ、今回のプナン滞在では、腹ペコにさいなまれた。
2日間にわたり昼夜、森へと分け入ったが、獲物はなに一つ取れなかった。
カニクイザルがいたが、逃げられてしまった。
狩猟小屋で、彼らも私も、心身ともに、へとへとに疲れ果ててしまった(の図↑)。

どこにも、イノシシの足跡が見当たらなかった。
果実が別の河川流域で一斉に実っている。
動物たちはそちらに行っているのだと、諦め顔で、そう彼らは説明した。