たんなるエスノグラファーの日記

エスノグラフィーをつうじて、ふたたび、人間探究の森へと分け入るために

草原の哲学

2016年08月28日 22時00分23秒 | 大学

8月後半しばらくモンゴル国に行ってた。髪の長い中年の男の哲学者はアメリカにいいようにされているヤポン(日本)は将来列島ごど沈没するだろうその時モンゴル牧民の末裔たる3分の1の日本人だけはなんとか救い出さねばならぬと言った。頭をぐぁんぐぁんと振り回して憑霊したオイラートのシャーマンは私が日本から来たというと「地面の下に鉄の蛇がはい回る国」(地下鉄が通っている国」から来たのかと言って草原は永遠に続くとも言った。


狩猟民的、あまりに狩猟民的な

2016年08月12日 13時31分13秒 | フィールドワーク

2016年夏、今年も、ブラガの森を訪ねた。

7月に大水が2回あった川で、子どもたちは時間を忘れて戯れていた。

ボルネオ・マーブル・キャット(Pardofelis marmorata)がはね罠にかかった。
プナンは、タリン・リヤン(taling liyan)と呼んだ。
極上の美味だった。

 

川べりでシカの胎内から仔が取りだされるのを、子どもたちはじっと見つめていた。

絞め殺しイチジクの大木。
それは長い髪の美しい女(の霊)だとプナンは言った。
複雑に穿たれた孔、それはまさに女だと思った。

猟師は、シワコブサイチョウの鳴きまねをして、近くまでおびき寄せた。
「お前は、俺の後ろの陰にしばらく隠れてろ」と言った。

胞子をまき散らすために地上に姿を出したキノコの地下に隠れたつるつるの菌床をプナンは「卵」と呼んだ。

魚網にかかった魚には、忌み名がなかった。
人々はその大漁に華やいだ。

川べりに植えられたジャックフルーツの木がたくさんの実をつけていた。