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クリニックのドクターによれば、吸血ヒルの咬傷の後、足に寄生虫が入ったのだという。私が被った疾患は、近代医療では、Larva Migran という病名で知られているらしい。痛みはそれほどでもないが、痒みがときどき襲ってくる。寄生虫は、暖かい部位には行かないという。体温の低い足のかかとあたりを、あちこちに移動しているのだという。そういえば、何本もの「道」が、かかとのあたりをクネクネと走っている。ドクターは、約10年ぶりに、この症状を見たという。10年以上前にはいい薬があったが、いまは入手が難しいと思うけど、薬局で聞いてごらん、とも。薬局では、案の定、いまではその薬は、入手が困難だといわれた。薬局で勧められるままに、Thelban という薬を買った。タイで製造されたその薬は、Roundworm, Whipworm, Pinworm or Threadworm, Hookworm の症状改善に効果があると書いてある。お、Hookworm(鉤虫症) は、帝国医療の研究書でしばしば出てくる、靴を履かない社会で発症する病気ではないか。いま、一個の生命体に他の生命体が寄生していることに思いをめぐらせてぞっとした瞬間、患部がピクリと動いた。ついでに、いま、チャイコフスキーの「悲愴」の第一楽章(ムラヴィンスキー指揮)を聞いている。