中国がなくても、日本経済はまったく心配ない! (WAC BUNKO) | |
三橋 貴明 | |
ワック |
あなじみ三橋貴明氏の最新刊である。よく日本経済は中国に依存していると評論家は言うが、そんなことはない、中国がなくなってしまっても心配ない、という主張である。
(1) 中国経済は、成長し続けているが、内容は投資(投機)のみが増えて、内需拡大のためのGDPに占める個人消費が小さい。(中国40%、日本は60%)
(2) 中国の輸出依存度はGDP比30%(日本は10%、うち対中国はわずか3%以下)と非常に多く、輸出頼り。その輸出の50%は、日本、台湾等外資系によるもの。
(3) 不動産バブルはすさまじい。不動産を買うとGDPは膨らむ。中国政府はメンツにかけても経済成長8%を超すため(中国国民のためではない)政策を打っている。不動産バブルが崩壊すると中国経済はおしまいになる。
(4) 中国は健康保険や年金など社会保障が未整備、1回医者にかかると月収の1/3が吹き飛ぶ。従って中国国民は個人消費を拡大したくてもできない。
(5) 暴動が1日に2,30件起きている。そして一人っ子政策のため、猛スピードで高齢化している。日本の比ではない。2013年にも表面化する予想。
というわけでゆがんだ成長を続けている。大半の中国国民は金持ちにはならず、いまなら、もう他の東南アジア諸国に投資した方がいいようという主張だ。中国中国というけど、あんまり中国を恐れる必要はないようだな。